2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト鼻粘膜上皮細胞におけるギャップ結合の発現とシグナル伝達に関する研究
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16591719
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
濱 雄光 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (90315953)
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Keywords | 鼻粘膜 / 上皮細胞 / ギャップ結合 / シグナル伝達 |
Research Abstract |
本研究の目的は、主として免疫組織化学的手法と細胞生物学的手法を用いてヒト鼻粘膜上皮細胞におけるギャップ結合の関与する細胞間コミュニケーションを明らかにし、さらに病態との関連を研究することにある。 平成16年度においては、病態・悪性度の異なる鼻疾患とギャップ結合の関連を検討するため、炎症の代表である慢性副鼻腔炎、良性腫瘍である内反性乳頭腫、悪性腫瘍である副鼻腔癌(主に扁平上皮癌)の鼻・副鼻腔粘膜におけるコネキシン(Cx)の発現を比較した。副鼻腔炎では上皮細胞にCx26、固有層にCx43の発現が認められ、乳頭腫も同様の発現パターンであったが、扁平上皮癌では局所的にCx43の発現が認められる部位と発現がない部位が混在していた。消化管粘膜上皮では悪性化に伴いギャップ結合の発現低下が報告されており、症例を増やして検討を重ねる予定である。 また、生きた細胞で細胞間コミュニケーションの実験のために以前は一次培養で得られた上皮細胞を使用していたが、より生体に近い生理的な状態で実験を行うため、二次培養まで行い、現在では線毛や杯細胞を有したほぼ生体に近いヒト鼻粘膜培養上皮組織を得ることができるようになった。今後これを用いてカルシウム波の伝播を中心とする細胞間コミュニケーションの検討を行う予定である。
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