2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト中耳粘膜由来培養細胞の確立-中耳粘膜再生治療を視野に-
Project/Area Number |
16591736
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
萩森 伸一 大阪医科大学, 医学部, 講師 (90291799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 美和 大阪医科大学, 医学部, 助手 (60319530)
服部 康人 大阪医科大学, 医学部, 助手 (30343669)
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Keywords | 中耳粘膜 / 培養細胞 / Air-Liquid-Interface / 再生治療 |
Research Abstract |
ヒト中耳粘膜由来培養細胞を作成する前に、パイロットスタディとして細胞数の多いヒト下鼻甲介粘膜および鼻茸由来の細胞での培養をまず試みた。ヒト中耳粘膜下には粘膜固有層がほとんどみられず、線維芽細胞も少ない点が鼻副鼻腔粘膜との相違点である。したがって、鼻副鼻腔粘膜の粘膜上皮を中心に培養する技術が応用可能と考えられる。 鼻副鼻腔手術の際に採取した鼻粘膜および鼻茸を抗生物質および抗菌剤添加のMEM培養液に採取した試料を入れ、Proteaseとともに3〜8時間ロッキングしながら室温にてincubate、化学的に剥離した細胞およびメスにて骨壁より鋭的に剥離した粘膜細胞を、コラーゲンコートした細胞培養皿もしくはフラスコで一次培養した(Bronchial epithelial growth medium (BEGM)使用)。7〜14日間の培養でconfluentになるか否かを倒立式顕微鏡下に観察。Confluentになった細胞群をTypsin/EDTAにて培養皿から遊離させた後、細胞数をカウントし、Transwell-col社製の12mmカルチャーインサートに細胞を播種した。Air-Liquid-Interfaceの環境下にて一次培養に用いたものと同様の培養液にて3週間培養した。この結果、線毛運動を有する粘膜が培養増殖され、鼻粘膜上皮と同様の細胞と判断された。 現在中耳手術の際に正常と思われる中耳粘膜を採取、凍結保存中である。次年度はこれらの中耳粘膜を用いて上記の手順で培養を行い、免疫組織学的に中耳粘膜上皮の特徴を有する培養細胞が得られるか否かを検討する予定である。
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