2004 Fiscal Year Annual Research Report
MRIを用いた異常眼球運動の発生機序と治療方法に関する研究
Project/Area Number |
16591745
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
佐藤 美保 国立大学法人浜松医科大学, 医学部, 助教授 (50252242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
礒田 治夫 国立大学法人浜松医科大学, 医学部, 助教授 (40223060)
伊藤 逸毅 名古屋大学, 医学部・眼科, 講師 (10313991)
野寄 清美 国立大学法人浜松医科大学, 医学部, 助手 (30343198)
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Keywords | 斜視 / 上斜筋麻痺 / 外転神経麻痺 / デュアン症候群 / MRI / 外眼筋 |
Research Abstract |
1.13名の正常成人および5名の上斜筋麻痺患者を対象に眼窩MRI撮影、シネモードMRI撮影を行った。得られた画像をデジタル保存し、パーソナルコンピューターに取り込んだ上で、画像解析ソフト(NIH image)を用いて以下の解析を行った。 2.MRI冠状断にて得られた上斜筋像をトレースし、画像上のピクセル数として表示し、それぞれの眼筋の大きさを、左右眼で比較した。また眼位をかえたときの筋の収縮と弛緩の程度を相対的に比較検討した。 3.水平、垂直4直筋の相互位置関係を検討した。とくに、外直筋と上直筋を結合する眼窩Pulleyは、その他の部位のPulleyより結合力が弱いことが考えられている。そこで正確に視神経に垂直に切った断層面を用いて、4直筋の位置が上斜筋麻痺患者の眼球運動によってどのように変化するかを計測した。 4.下斜筋をその走行方向に沿って撮影し、眼球の上下方向の運動によって、収縮の程度、位置変化、眼窩組織との位置関係を検討した。 結果 1.正常者では、水平直筋の位置の個体差は少ないのにたいし、上斜筋麻痺患者では上下方向へのずれが大きいことが明らかになった。 2.上斜筋の萎縮の程度と、上斜筋の収縮の程度には強い相関関係があることがあきらかになった。 3.上斜筋麻痺患者の健眼では、正常コントロールに比べて、上斜筋の収縮が強いことが明らかになった。 4.上斜筋麻痺患者では下斜筋過動がしばしば認められるが、下斜筋の形状には差がないことがあきらかになった。
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