2004 Fiscal Year Annual Research Report
血液細胞-血管内皮相互反応制御による眼微小循環疾患の病態解明と新治療法の開発
Project/Area Number |
16591749
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮本 和明 京都大学, 医学研究科, 助手 (90359810)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桐生 純一 京都大学, 医学研究科, 講師 (80281096)
高橋 政代 京都大学, 医学研究所, 助教授 (80252443)
|
Keywords | 糖尿病 / ぶどう膜炎 / 網膜虚血再灌流障害 / 白血球 / スタチン / 網膜三次元的観察法 / 高血圧 / ICAM-1 |
Research Abstract |
(1)糖尿病モデルラットを作製し、網膜微小循環における白血球動態を詳細に検討した後、高脂血症治療薬であるスタチンに、血中脂質降下作用以外の効果を見出すべく、糖尿病網膜の微小循環におけるスタチンの効果について検討した。糖尿病において、網膜微小循環における白血球の捕捉は亢進していた。スタチン投与は、非投与群に比べて、白血球の血管内皮への接着を有意に抑制し、白血球の網膜組織への集積も抑制した。糖尿病網膜においては、ICAM-1、VEGFの発現が共に亢進していたが、いずれもスタチン投与によって抑制された。白血球表面のICAM-1レセプターの発現も糖尿病において亢進していたが、スタチン投与によって抑制された。更に、糖尿病網膜において亢進する血管透過性もスタチン投与によって抑制された。 (2)マウスの網膜微小循環において、血管外に遊走した白血球の網膜内での動態について三次元的に観察する実験系を開発した。エンドトキシン誘発ぶどう膜炎(EIU)モデルマウスを作製し、網膜内に遊走した白血球をflat-mountに展開した上で蛍光顕微鏡下に観察した後、Confocal顕微鏡を用いた三次元撮影によって白血球の網膜血管外への遊走を立体的に観察した。白血球は網膜の三層ある毛細血管網のうち、網膜表面から数えて第二層および第三層の毛細血管網から血管外に遊走し始めていた。血管外へ遊走した白血球は全て、網膜外層へ向かって移動して行った。網膜組織内での白血球の遊走速度は10μm/時であった。 (3)網膜虚血再灌流障害に対する高血庄の影響について検討した。自然発症高血圧ラット(SHR)に視神経結紮による網膜虚血再灌流障害を作製し、網膜伸展標本上での蛍光標識した白血球の血管内皮への接着状態及び網膜微小循環への集積、ICAM-1の発現、Superoxide dismutase(SOD)の効果について検討した。高血圧ラットでは、虚血再灌流後の網膜への白血球集の積、血管内皮への接着が亢進し、虚血再灌流時の組織障害が増悪していた。ICAM-1の発現は高血圧ラットで有意に亢進し、SOD投与によって、虚血再灌流時の網膜障害が有意に抑制された。
|
Research Products
(6 results)