2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16591750
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
生野 恭司 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (50294096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五味 文 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80335364)
大島 佑介 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20362717)
大路 正人 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (90252650)
田野 保雄 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (80093433)
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Keywords | 網膜色素上皮(RPE) / 網膜剥離 / 線維化 / 内境界膜 / コラーゲン / 強度近視 / 黄斑円孔 |
Research Abstract |
眼内線維性増殖は収縮により牽引力を生じ、強度近視の黄斑円孔網膜剥離を発症させるとされている。われわれは黄斑円孔を伴う強度近視限を術中、術前後に詳細に観察し強度近視眼における黄斑円孔発症の機序についてあらたに検討した。黄斑円孔を発症した強度近視眼を術前に光干渉断層計(OCT)で観察したところ、まず中心窩に異常な網膜硝子体癒着を生じ、次に加齢による後部硝子体剥離を生じることで最終的に中心窩に裂隙を生じて黄斑円孔によるものと考えられた。実際、術中眼底を詳細に観察すると、黄斑円孔周囲に索状物が付着しており、後部硝子体と連絡していた。すなわち強度近視における黄斑円孔網膜剥離の成因として後部硝子体剥離による硝子体の牽引と異常な網膜硝子体癒着が極めて重要な役割をはたすことが証明された。また、ゲル状の硝子体を可視化するのにトリアムシノロンが広く用いられており、強度近視眼で硝子体を可視化すると多くの症例で硝子体が網膜と広く癒着しているのが観察されることは周知の事実である。我々は円孔周囲の線維性増殖を評価するため術中後部硝子体剥離を作成した後にトリアムシノロンで網膜面に癒着した硝子体および増殖組織を検討した。その結果多くの症例で網膜前に線維性増殖をきたしており、その牽引が黄斑円孔網膜剥離の原因ではないかと考えられた。また、その組織を透過型電子顕微鏡で観察してみると、I型コラーゲンを主とした線維性の組織であった。このように多くの症例で線維性組織が観察されたことは、強度近視眼における網膜剥離に線維性増殖が深く関与していることを示唆しており、この予防もしくは根治が予後改善の鍵になると考えられる。
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Research Products
(6 results)