2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16591750
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
生野 恭司 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (50294096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五味 文 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (80335364)
大島 佑介 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20362717)
田野 保雄 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (80093433)
大路 正人 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90252650)
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Keywords | 強度近視 / 牽引性網膜剥離 / 中心窩分離症 / 光干渉断層計 / 微小視野測定 / 網膜感度閾値 / 網膜血管 |
Research Abstract |
強度近視における線維性増殖とともに増殖性硝子体網膜症の主要な病態として網膜色素上皮(RPE)による増殖膜の収縮牽引があげられる。増殖膜は主としてI型コラーゲンから構成されているが、RPEによって網膜表面に分泌され、網膜と癒着を形成、牽引性網膜剥離にいたる。我々は培養RPEを用いて主要な細胞内シグナル伝達経路であるMitogen-activated protein kinase(MAPK)とPhosphatidylinositol-3 kinase(PI3K)経路がRPEにおけるコラーゲンゲル収縮能に如何に関与するかを検討した。 実験では増殖性硝子体網膜症の主たる原因で、強力な誘発剤である血小板由来増殖因子を用いた。その結果、MAPKおよびPI3K両者の活性化がコラーゲンゲル収縮に必須であった。また、コラーゲンゲルと細胞表面を架橋するインテグリンの発現パターンについて検討してみると、MAPK経路はインテグリンα1およびα2の発現増強に関与していたが、PI3K経路は発現量そのものに変化を与えなかった。またインテグリンβ1に関してはMAPK、PI3K経路ともに発現に変化を与えなかった。これらの結果からMAPK経路は主としてインテグリン特にα1とα2を介して、PI3K経路はインテグリン以外の経路を介して血小板由来増殖因子依存性I型コラーゲンゲル収縮に関与していると考えられる。従って、これら経路を制御することにより増殖性硝子体網膜症を抑制する可能性が示唆された。 また、Heidelberg Retina Angiograph2を用いて黄斑硝子体手術中に使用した残存インドシアニングリーン(ICG)を検討したところ、近視眼、非近視眼ともに6ヶ月以上の長期にわたってICGが残存することが確認された。従来の報告どおり初期にはICGは時間とともに軸索に沿って視神経乳頭へと移動した。しかしながら、術後長期を経た症例では、点状の過螢光を特に網膜動脈沿いに認めた。この原因は不明であるがマイクログリアやRPEがICGを貪食し、それによって点状過螢光が生じることが考えられる。
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Research Products
(12 results)