2004 Fiscal Year Annual Research Report
酸化ストレスによる網膜毛細血管細胞死の防御機構に関する研究
Project/Area Number |
16591754
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
児玉 達夫 島根大学, 医学部, 助教授 (60215283)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
枡田 尚 島根大学, 医学部, 助手 (80304278)
大平 明弘 島根大学, 医学部, 教授 (00169054)
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Keywords | 酸化ストレス / 網膜毛細血管 / チオレドキシン / 周皮細胞 |
Research Abstract |
ラット網膜毛細血管を用いて酸化ストレスによる細胞死と,チオレドキシン(TRX)による細胞保護作用を検討した。まず,6-7週齢のLong-EvansラットをCO_2で安楽死後,網膜を摘出した。Papain, DNaseで処理後,表面処理を施した円形カバーグラスを用い網膜毛細血管を圧着採取した。Trypan blue assayで毛細血管細胞の死亡率を確認し,生細胞率95%以上の検体を用いた。50μM H_2O_2投与後,毛細血管細胞死を経時的に測定したところ,4時間後に61.2%の細胞死が観察され,その大多数は網膜血管周皮細胞であった。H_2O_2処理後の死細胞の多くは抗single-strand DNA抗体で陽性に染色された。H_2O_2と10μg/ml TRXの共存下で,死細胞率は29.8%と有意に低下がみられた。H_2O_2投与による血管細胞死をTRXはdose-dependentに抑制した(1μg/ml TRXの細胞死抑制効果は39.9%)。しかしながら,H_2O_2投与後5時間以降では死細胞率が80%を越え,TRXの細胞死抑制効果も観察されなくなった。対照群としてTRXの活性部位の2つのcysteineをserineに置換した10μg/ml mutant TRXを投与したところ,4時間後のH_2O_2による細胞死は52.6%と高率であった。新鮮摘出網膜毛細血管において,H_2O_2投与による周皮細胞死にアポトーシスの関与が示唆された。TRXは網膜血管周皮細胞の酸化ストレス死を遅らせ,防御的に作用した。
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