2005 Fiscal Year Annual Research Report
網膜再生に関与するタンパク群の同定・機能解析と治療への戦略的展開
Project/Area Number |
16591756
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
三嶋 弘 広島大学, 大学院・医歯薬総合研究科, 教授 (20034100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金本 尚志 広島大学, 大学院・医歯薬総合研究科, 助手 (20359889)
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Keywords | プロテオミクス解析 / 家鶏胚 / 網膜 / Wnt14 / R28細胞 / Caspase-3 / 神経保護作用 |
Research Abstract |
網膜生存分化因子に関連するタンパクについてスクリーニングをおこなうことを目的として、家鶏胚の胎生7日目と11日目の前後の網膜組織のプロテオミクス解析を行った。同定されたタンパクは転写因子、細胞骨格成分、アポトーシス誘導因子、発生分化誘導因子と多種多様の機能を有するタンパクであったと同時に、機能未知の新規タンパクも見出された。その中でも特に発生分化に関与するファミリーの一つであるWnt14に着目し、ラットの未分化網膜細胞(培養系)であるR28細胞を用いて、その機能解析を行った。 まず、Wnt14は家鶏胚の網膜の免疫組織染色の結果より、網膜の中でも網膜神経節細胞に強く発現していることが分かった。さらに、Wnt14を強制発現させたR28細胞においては、血清除去やグルタミン酸神経毒性によって誘導される細胞死に対して、明らかな抵抗性を有することが判明した。さらに、強制発現したWnt14と活性型Caspase-3の免疫2重染色の結果から、Wnt14がCaspase-3の活性化を阻害すること、すなわち、Wnt14の神経保護作用はCaspase-3を介するアポトーシス・シグナル経路を抑制することによって、Wnt14はその神経保護作用を発揮していることが示唆された。
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Research Products
(1 results)