2005 Fiscal Year Annual Research Report
分子設計を行ったハイドロゲルによる人工硝子体の開発
Project/Area Number |
16591763
|
Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
松浦 豊明 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (10238959)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安中 雅彦 九州大学, 理学部, 教授 (40282446)
原 嘉昭 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70094604)
|
Keywords | 人工硝子体 / ハイドロゲル / ポリビニールアルコール / 分子設計 |
Research Abstract |
ポリビニールアルコールハイドロゲルの基本的な設計を終了し、家兎での手術時の扱いやすさ、生体適合性、さらにはタンポナーデ効果の高さを考えて最終的なゲルの合成を行うことができた。また比較的大量のゲルを清潔操作にて作成できるノウハウを蓄積できた。また側鎖の部分に親水基を導入した分子設計をしたハイドロゲルによる人工硝子体はその物性を変えることでマクロな構造を持たせることが確認された。In vivoでの評価として人工的に作成した家兎眼での網膜剥離の場合ではゲルとしてタンポナーデ効果をしめすことが認められた。そこで硝子体の構造が非常に人に似ているかにくい猿、3頭6眼をもちいる.その片眼にゲル注入しその硝子体の形態の変化を細隙灯顕微鏡、眼底鏡をもちいて経時的に検査した.手術法、その評価に関しては実際の眼科臨床のやり方を踏襲した。眼圧の上昇、前眼部の炎症所見はほとんど見られなかった。さらに硝子体腔は透明性を保ち網膜にも著変を認めなかった。網膜電図でも電気生理学的に網膜の機能が損なわれていないことを確認した。さらにカニクイザルの場合屈折状態が手持ちのレフ、ケラトメーター(屈折計)で他覚的に評価できるが、現在用いられているシリコンオイル、パーフルオロカーボンと異なり術後の屈折状態も変化がほとんど無かった。光学顕微鏡、透過型電子顕微鏡での眼内組織の病理組織は1年の長期の眼内置換の後にも正常のそれとほとんど異ならず長期の眼内置換物として臨床応用を十分目指すことが可能と考えられた。
|