2004 Fiscal Year Annual Research Report
結膜・角膜組織における免疫機構の解明と臨床への応用
Project/Area Number |
16591771
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
澤 充 日本大学, 医学部, 教授 (40010475)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 光浩 日本大学, 医学部, 講師 (50193751)
嘉村 由美 日本大学, 医学部, 講師 (20287618)
稲田 紀子 日本大学, 医学部, 助手 (10307837)
高浦 典子 日本大学, 医学部, 助手 (80350007)
室本 圭子 日本大学, 医学部, 助手 (60366599)
|
Keywords | 角結膜疾患 / アレルギー疾患 / ヘルペス疾患 / 涙液 / 免疫グロブリン(IgE,IgA) / エンテロトキシン / 酵素イムノアッセイ / Antibody array |
Research Abstract |
眼表面での免疫機構で重要な役割を担っているIgE、分泌型IgAおよび、アレルギー結膜炎におけるサイトカイン、感染症の主要な原因となるブドウ球菌の菌対外毒素、ヘルペス性角膜炎の病態について涙液をもちいた検査法を開発し、検討をおこなった。 1.アレルギー性結膜炎での涙液内抗原特異的IgE抗体検査法の検討:涙液をろ紙で採取し、今までに検討したEIA法(enzyme immunoassay)法を対照に本研究によるイムノクロマト法によるダニ、またはスギ特異的IgE抗体の検出率について比較検討を行った。イムノクロマト法はEIA法に比し、陽性率が低かった。 2.Antibody array法を用いたアレルギー性結膜疾患の涙液中生理活性物質の検討:健常対照、春季カタル(VKC)、巨大乳頭結膜炎(GPC)を対象に涙液をろ紙で採取し、Antibody array法でサイトカイン、ケモカインについて検討した。VKCでは、Th2サイトカインのGPCマクロファージやTh1細胞が関与と病態が異なる可能性が得られた。 3.眼疾患における黄色ブドウ球菌臨床分離株が産生するエンテロトキシンの検討:黄色ブドウ球菌の菌体外毒素であるエンテロトキシンは、スーパー抗原としてT細胞を活性化し炎症性疾患の病態に関与する。眼疾患患者からの分離黄色ブドウ球菌のエンテロトキシンについて検討した。エンテロトキシンA,B,Cの産生がみられ、特にMRSAでは全例にエンテロトキシンが検出された病態への関与が考えられた。 4.ヘルペス性角膜炎の涙液中のヘルペス検出および特異的IgAの診断への応用:涙液内のHSV検出をPCR、HSV特異的IgA検査法を開発し、診断での有用性を検討した。涙液中のHSVは上皮型病変、とくにアシクロビル非使用例、HSV特異的IgAは実質型病変での診断に有用であるとの結論を得た。
|
Research Products
(8 results)