2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16591775
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
檜垣 史郎 近畿大学, 医学部, 講師 (90238262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 昌彦 近畿大学, 医学部, 講師 (40218938)
下村 嘉一 近畿大学, 医学部, 教授 (20162737)
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Keywords | HSV-1 / 角膜ヘルペス / 再活性化 / 潜伏感染 |
Research Abstract |
Herpes simplex virus type 1 (HSV-1)の再活性化時の宿主側の重要因子として、これまでに約30の遺伝子、たんぱく質が報告されている。また、我々はマウスin vivoモデルにおいて、免疫抑制による再活生化時に有意に変化する遺伝子を発見してきた。HSV-1による角膜炎に対して、本邦においては主にacyclovir眼軟膏が使用されている。しかし、根本的にその再活性化を抑制することは、不完全である。 今回の研究では、マウスHSV-1潜伏感染in vivoモデルを用いて、既に市販、開発済みの内服薬で、HSV-1再活性化抑制の可能性について調べた。 BALB/cマウスの角膜をHSV-1 McKrae株にて感染し、急性期にバラシクロビル内服をマウスに投与した。潜伏感染が成立したと考えられる4週間以降に、熱ストレス及び、cyclophosphamide 5mgとその24時間後にdexamethasone 0.2mgを静注しHSV-1の再活性化を試みた。再活性化後、マウス角膜から涙液を採取し、Cell cultureに供し、HSV-1再活性化率を求めた。また、ABI PRISM 7000 Sequence Detection Systemによりreal time PCR法により涙液中のウイルス量を各グループ間で比較した。以上を、非感染マウスに対しても行った。急性期にバラシクロビルにて治療した群は、無治療群に比べて有意にヘルペスウイルスの再活性化率が低かった。 今後、他の薬剤、既に市販済みの点眼薬、内服薬によるHSV-1再活性化抑制が可能になれば、角膜ヘルペス患者の再活性化による、視力低下を防ぐことができる可能性がある。 HSV-1による前眼部病変として、樹枝状角膜炎、地図状角膜炎、円板状角膜炎、壊死性角膜炎、栄養障害性角膜炎、角膜内皮炎、角膜ぶどう膜炎などが知られている。急性期のこれらに対する治療法、確立されたものとなってきた。今後は、再活性化予防がより重要な課題となってくるものと考える。
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Research Products
(2 results)