2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16591779
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
Principal Investigator |
岩田 岳 独立行政法人国立病院機構東京医療センター, 臨床研究センター, 室長 (90374157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 俊秀 東京医科大学, 臨床プロテオーム研究センター, 教授 (40366092)
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Keywords | 緑内障 / オプチニュリン / タンパク質相互作用 / Rab8 / 水晶発振子 / 小胞体 / 正常眼圧力緑内障 / アストロサイト |
Research Abstract |
緑内障は日本において失明原因の第2位を占め、推定約200万人の患者が存在する。40歳以上の日本人では有病率は約5%で、開放隅角緑内障の90%が正常眼圧緑内障と報告されている。緑内障の原因遺伝子としてはすでにミオシリン、チトクロムP4501B1、オプチニュリン(OPTN)、WDR36の4遺伝子が発見されており、特にOPTNは初めての正常眼圧力緑内障の原因遺伝子として注目されている。これまでの解析によって日本人の緑内障患者に占めるOPTN遺伝子の変異が低いことが明らかになっているが、アミノ酸50の変異(E50K)など正常眼圧力緑内障との相関性が高い、我々はOPTN遺伝子変異が及ぼすタンパク質機能への影響を解析することにした。遺伝子変異がRAB8タンパク質との相互作用部位に近いことから、OPTN E50K変異体を大腸菌によって発現し、これをアフィニィティークロマトグラフィーによって精製し、Rab8との相互作用を測定し、正常体OPTNとの比較を行った。タンパク質-タンバク質の相互作用には検出感度の高い、水晶発振子を利用した。その結果、OPTN E50K変異体はRab8と相互作用できないことが明らかとなった。緑内障患者で報告されている他の遺伝子変異や遺伝子多型はRab8との相互作用に全く影響はなかった。これらの変異は正常者にも発見されており、緑内障との相関性が低いことが最近明らかになっており、それを裏付ける結果となっている。Rab8はアストログリア細胞内の小胞体輸送に関与していると考えられ、神経乳頭への直接的な影響が考えられるため、今後は細胞内でのOPTN-Rab8結合体の機能と緑内障との関係を調べる予定である。
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Research Products
(7 results)