2004 Fiscal Year Annual Research Report
Synbiotics療法による小腸移植後拒絶反応の抑制効果
Project/Area Number |
16591788
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
星野 健 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70190197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森川 康英 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90124958)
田辺 稔 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50197513)
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Keywords | 小腸移植 / synbiotics / probiotics / prebiotics / 糞便有機酸 / 拒絶反応 / 糞便細菌叢 |
Research Abstract |
ラット小腸移植モデルを用いて、術後にsynbiotics投与群と、非投与群の2群に分けた。Synbiotics protocolは、probioticsとしてBifidobacteruim breve、Lactobacillus caseiを、Prebioticsとして、Tlansgalactosylated oligosacchalidesを投与した。 結果 <糞便細菌叢>symbiotics投与群、非投与群における術後5・10日目の糞便細菌叢の変化を検討すると、偏性嫌気性菌においては両群で術後5日目と10日目の間に明らかな変化は認められなかった。通性嫌気性菌では、Enterobacteriaceae, Staphylococcusでは、投与群において術後10日目の菌数の減少傾向が認められたものの、有意差が認められたのは、Enterococcusのみであった。 <糞便有機酸濃度>総有機酸や腸内の主要な有機酸である酢酸や酪酸、乳酸、プロピオン酸において、投与群で増加傾向が認められた。特に、酢酸では、10日目の投与群において有意に増加傾向が認められた。 <臓器への細菌移行>すべての臓器において、投与群で細菌数が少ない傾向が認められた。特に、グラフト小腸の所属リンパ節と腹水において、投与群で有意に臓器内細菌数が低かった。 考察 本研究の結果では、synbiotics投与による糞便細菌叢に大幅な変化は認められなかったものの、便中有機酸濃度が優位な増加傾向を示し、グラフトの所属リンパ節と腹水において明らかなBacterial Translocationの抑制効果が認められたと考えられる。今後、拒絶反応の病理学的検索を含め、synbiotics投与による、免疫学的側面からの評価を行う予定である。
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