2006 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロサージャリーによるラット頭部異所性移植モデルを用いた骨変性過程の観察
Project/Area Number |
16591801
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
米原 啓之 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (00251299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平林 慎一 帝京大学, 医学部, 教授 (60173259)
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Keywords | 微小血管吻合 / 異所性移植 / 組織移植 / 頭蓋骨 / 骨変性 |
Research Abstract |
頭蓋顔面骨はその形を形成するためにいくつかの部分に分かれた骨がそれぞれ統合的に成長をしなければならないと考えられている。しかし、その成長を決定する因子が骨自体または骨膜内に存在するか、もしくは、周囲の軟部組織に存在するのかは不明である。今回の研究目的は、軟部組織の影響を受けずに成長していく頭蓋顔面骨のモデルを作成し、その変性過程を観察することにより顔面骨形成を決定する因子の所在を明らかにすることである。生後2週のWistarラットの下行大動静脈を成熟ラットの鼠径部の大腿動静脈に顕微鏡下に吻合し、移植後1週、2週後にラベリングを行い3週後に屠殺し標本を作製した。一方、手術を行っていない3週のラットをcontrolとし、同様にラベリングを行った。計測は鼻骨と中間顎の縫合部付近を選び、それぞれ、前方、中間、後方に分けた。鼻骨に対しては骨添加した体積を求め、中間顎は骨添加距離を計測した。最後にcole'sHE染色により骨量を求めた。鼻骨の骨添加形態は明らかな違いを認めたが、骨添加量(体積)に違いは認めなかった。中間顎でも骨添加形態の差を認めた。骨量はcontrolで多く認めた。成長時における骨形成の『量』を決定する遺伝子の発現は、骨膜などに存在する細胞で行われることが示された。これに対し、『形』を決定する遺伝子の発現に関しては周囲軟組織にある細胞の果たす役割が大きいことが示唆された。また臨床例において、顔面骨骨折において修復される過程および唇裂鼻変形に対して行われた骨修復術後の臨牀経過についても検討を行った。
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Research Products
(1 results)