2004 Fiscal Year Annual Research Report
血管柄付骨膜弁とハイドロキシアパタイトによるハイブリッド型人工骨の研究
Project/Area Number |
16591803
|
Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
丸山 優 東邦大学, 医学部, 教授 (00101931)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 優 東邦大学, 医学部, 教授 (10170135)
林 明照 東邦大学, 医学部, 講師 (30218557)
佐瀬 通郎 東邦大学, 医学部, 助手 (60266947)
蛭田 啓之 東邦大学, 医学部, 講師 (50201736)
|
Keywords | 血管柄付き骨膜弁 / 多孔性ハイドロキシアパタイト / ハイブリッド型人工骨 / rhBMP-2 / 肋骨骨膜付広背筋弁 |
Research Abstract |
血管柄付きハイブリッド型人工骨の開発・臨床応用に向けた基礎的な証左を得ることを目的として、家兎を用いた肋骨骨膜付広背筋弁の実験モデルを開発し、多孔性HAブロック(以下PHAB)をこの血管柄付肋骨骨膜に圧着し、PHABの生体内における経時的な組織学的変化、特に気孔内での組織形成ならびに骨膜圧着面から各気孔内の組織形成の方向性について検討を行った。組織学的には、骨膜圧着ブロックの骨膜とPHAB気孔内および隣接する気孔間において、結合組織および骨組織は連続していた。新生血管は気孔間連通部を介して各気孔間で連結し、PHAB内で網状構造を呈していた。さらに、骨膜と気孔ならびに気孔間において、血管は結合組織および新生骨を介して連続していた。骨膜圧着面からの距離と各気孔の骨形成率に関する定量解析では、この両者間に負の直線的な相関関係が認められた。気孔内での各組織分布について標本上で円として観察される気孔の断面が,気孔の中心からどのくらい離れているかを変位率として表したところ、小さな円として標本上で観察された気孔の断面では、骨が占める割合が多く、これに次ぐ大きさの気孔の断面では,脂肪の割合が高い傾向がみられた。以上の結果より、気孔内の骨新生は,骨膜圧着面近傍より遠位に向かい経時的に進行すること、骨の新生と造血細胞と含む脂肪の形成はほぼ同時に進行すること、各気孔内に形成される組織の立体的分布は,外層より新生骨・脂肪組織・新生血管を含む線維性結合組織となること、供給に際し骨膜の関与が推測される間葉系幹細胞が気孔内に定着し,骨ならびに脂肪に分化すること,ならびに新生組織が気孔内で特定の分布を示すことが示唆された。 さらに、本実験モデルにrhBMP-2を添加したPHABを用いて経時的な骨形成について検討したところ、BMPにはその促進効果が認められた(平田晶子,丸山優,林明照:rhBMP-2添加ハイドロキシアパタイトを用いた血管柄付き人工骨.形成外科2004,47:993-1000)。
|
Research Products
(1 results)