2005 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪組織幹細胞移植による難治性皮膚潰瘍の治療法の開発
Project/Area Number |
16591804
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
岩切 致 日本医科大学, 医学部, 助手 (50307899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 博司 日本医科大学, 医学部, 講師 (80343606)
赤石 諭史 日本医科大学, 医学部, 助手 (10373010)
村上 正洋 日本医科大学, 医学部, 助教授 (00239500)
百束 比古 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00165135)
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 脂肪 / 皮膚 / 再生医学 / 組織工学 |
Research Abstract |
昨年同様、F344近郊系ラットの鼠径部脂肪塊より我々がこれまでに報告してきた脂肪組織由来幹細胞(Adipose derived Stem cells、以下ASC)精製プロトコールに従ってASCを獲得した。この初代ASCを10%FBS添加DME培地内で培養、継代を繰り返す。第3継代ASCをトリプシン処理後、細胞浮遊液を作成し、直径1.5cmのシリコン付アテロコラーゲンスポンジに1個あたり1x10^6個播種する。播種後この細胞を再度100mmディッシュ内で培養を継続しASC-コラーゲンスポンジ複合体を作成した。 次に、同系ラットの背部皮膚に直径1.5cmの肉様膜を含めた全層皮膚欠損層を作成した後濃度1mg/mlのマイトマイシンCを皮膚欠損創に10分間塗布し難治性皮膚潰瘍モデルを作成した。そこに上記条件のASC組み込みコラーゲンスポンジを移植し、移植後4、7および14日後に標本を採取しパラフィン標本を作成しHE染色による形成肉芽組織の形態学的評価、特に肉芽組織の増殖の程度や新生血管の程度を評価した。なお、本年度は上記に示すごとく作成した難治性潰瘍が周囲の健常皮膚からの創傷治癒が進まぬよう、移植直前にシリコンチャンバーを潰瘍周囲に装着し移植組織の創治癒効果のみを検討した。対象群はアテロコラーゲンスポンジ単独移植群とした。 その結果、移植された部分の肉芽組織の厚さおよび毛細血管数は経時的に増加し、それぞれ移植後4、7および14日後の段階においてもコントロール群と比較して実験群において統計学的有意差をもって増加していることが確認された。 以上よりASC含浸コラーゲンスポンジは創傷治癒促進効果を有する更なる可能性が示唆された。 今後は走査電子顕微鏡による微細な形態学的評価ならびに各種サイトカインの定量を試みる予定である。
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Research Products
(1 results)