2005 Fiscal Year Annual Research Report
LPS受容体融合タンパクを用いたグラム陰性桿菌敗血症の治療法に関する基礎的研究
Project/Area Number |
16591807
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
刈間 理介 東京大学, 環境安全研究センター, 助教授 (50281308)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松島 綱治 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50222427)
西田 昌道 帝京大学, 医学部, 講師 (80292944)
大林 俊彦 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (30250442)
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Keywords | lipopolysaccharide(LPS) / CD14 / toll-like受容体4(TLR4) / Fc融合タンパク / LPS阻害剤 |
Research Abstract |
グラム陰性桿菌の主な炎症惹起物質であるlipopolysaccharide(LPS)に対する受容体であるCD14のGPIアンカー部分を除いたドメイン、およびtoll-like受容体4(TLR4)の細胞外ドメインと免疫グロブリンのFc部位(IgG4-Fc)を遺伝子工学的に融合した2種類のリコンビナント融合タンパクCD14-FcまたはCD14-TLR4-Fc作成するため、これらのタンパク遺伝子をコードしたpCHO-1発現ベクターを作成し、ジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)遺伝子欠損CHO細胞に遺伝子導入した。このDHFR欠損CHO細胞は、核酸代謝のde novo合成経路が障害されているため通常はヒポキサンチンとチミジンを細胞培養液中に添加しなければ、細胞は増殖できない。一方、pCHO-1ベクターにはこのDHFR遺伝子がコードされているため、このベクターが導入された細胞はヒポキサンチンとチミジン無添加の細胞培養液中でも増殖可能である。この原理を利用して、pCHO-1発現ベクターを遺伝子導入された細胞のみを選択的に継代培養し、培養上清からプロテインGを用いてCD14-FcおよびCD14-TLR4-Fcを精製した。 アストロサイト由来のcell lineであるU373を用いて、この精製したリコンビナント融合タンパクを添加した際の、LPS刺激に対する細胞のインターロイキン8(IL-8)産生量をELISA法で測定することにより、2種類のリコンビナント融合タンパクのLPS活性阻害作用を調べた。CD14-Fcでは、LPS1,000ng/ml刺激下で、5μg/mlおよび10μg/ml添加により、IL-8の産生がコントロールの約80%に減少し、20μg/ml添加ではIL-8の産生が約60%に減少した。一方、CD14-TLR4-Fcについては、現在、十分量のタンパクを精製中である。
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