2004 Fiscal Year Annual Research Report
培養歯胚の分化と軟骨細胞の形質転換に関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
16591833
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
名和 橙黄雄 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (50020748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石関 清人 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (50057775)
藤原 尚樹 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (20190100)
遠藤 真 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (50347879)
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Keywords | tooth germ / Meckel's cartilage / development / calcification |
Research Abstract |
1.メッケル軟骨の脂肪細胞への形質転換に関する研究。 前回の報告では、ニワトリ血清には培養軟骨細胞を脂肪細胞に転換する因子の含まれている可能性を示唆した。しかしながら、この現象が培養細胞特有の現象なのか、血清その物の作用なのかどうかについては不明であった。この問題を解決するために、生後2ヶ月の同腹マウス脾臓(脾臓には肪細胞が見られないのが特徴である)内にニワトリserum-clotと仔牛serum-clotを別個に移植して、移植後4日〜4週後に屠殺し、電顕観察、Sudan・染色、脂肪細胞特異的な標識抗体による免疫組織化学的反応について検討した。その結果、ニワトリserum-clot移植群に特異的に陽性反応が認められた。このことから、ニワトリ血清中にはin vivo、in vitroに拘わらず、脂肪細胞誘導因子の存在することが明らかになった。 さらに、血清中の誘導作用として性ホルモンが1つの因子と考えられるのでtestosteroneとestradiolの作用について検討した。その結果、生理的な濃度では両者ともに単独使用では対照群に比較して細胞増殖の増加が認められたが、共存下では有意差は見られなかった。しかしながら、薬理学的な実験濃度下ではメッケル軟骨の脂肪細胞への転換は濃度依存的に増加した。形質転換した脂肪細胞はGPDH, leptin, CATT-enhancer binding protein(C/EBPα)にいずれも陽性であった。 2.歯胚の分化に関する研究。 ヘルトビッヒ上皮鞘にはIGF-I receptorの存在が確認された。その結果に基づいて、IGF-Iの作用について検討した結果、IGF-Iはヘルトビッヒ上皮鞘の外層の細胞増殖を高め、その伸長を促すことによって歯根形成に関与する可能性が示された。
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Research Products
(3 results)