2005 Fiscal Year Annual Research Report
培養歯胚の分化と軟骨細胞の形質転換に関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
16591833
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
名和 橙黄雄 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (50020748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石関 清人 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (50057775)
藤原 尚樹 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (20190100)
鍵谷 忠慶 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (30405774)
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Keywords | tooth germ / Meckel's cartilage / calcification / osteoclasts / lipogenesis |
Research Abstract |
1)メッケル軟骨に関する研究(1)メッケル軟骨の石灰化に及ぼすエルカルシトニンの影響:細胞培養と器官培養におけるカルシトニンレセプターの発現について検索を行った。エルカルシトニンは軟骨細胞のALPase活性を刺激して石灰化を誘導するが、これには軟骨細胞のカルシトニンレセプターの関与が示唆された。(2)脂肪酸添加によるメッケル軟骨細胞の脂肪細胞への分化:培養メッケル軟骨にニワトリ血清を作用させると脂肪細胞に形質転換することが判明した。ニワトリ血清の分析から脂肪酸の関与が考えられ、脂肪酸の分化誘導について検討した。その結果、脂肪酸添加により軟骨細胞の増殖が抑制され、脂肪滴形成が促進された。2)歯根形成に関する研究(1)Knockout mouseにおけるマラッセの残存上皮の増加:Runx2/Cbfalは骨形成に必須の因子として知られているが、その役割については不明であった。この作用を究明するために、歯根形成期のheterozygo Runx2/Cbfal-knockout mouse(Runx2+/-)について検討した。その結果、歯根膜中の抗サイトケラチン陽性細胞(マラッセの残存上皮)が有意に増加した。このことから、Runx2/Cbfal因子が歯原性上皮細胞の分化増殖に関与する可能性が示唆された。(2)歯根形成に及ぼすIGF-Iの影響については歯根形成初期のヘルトビッヒ上皮鞘の分裂活性を促進して歯根伸長を増加させることが明らかにさたが、その詳細は不明であった。器官培養によってこの点について検討した。その結果、IGF-I(100ng/ml)により対照群に比較して有細胞セメント質形成が促進された。その作用は時期により異り歯根伸長期よりも後期に顕著であった。3)破骨細胞の分化に関する研究:シスタチンは骨吸収調節因子として働くことが明らかになってきた。破骨細胞に作用して骨吸収を調節すると考えられてきたが、詳細については不明であった。骨改造、特に破骨細胞の分化に関するシスタチンCの関与を明らかにするのが目的である。シスタチンC添加で破骨細胞の分化が抑制されるが、その作用は分化後期に顕著であった。その分化抑制作用はインヒビターE-64では抑制されないことから、それ以外の作用によると考えられる。また、c-Fos, NFAT2,TRAF6のmRNAの発現が見られないことから、これらの有無が破骨細胞分化に関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)