2004 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロファブリケーション技術を応用した不顕性誤嚥モデルマウス作製の試み
Project/Area Number |
16591839
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
久山 佳代 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (00234526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 浩嗣 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (00102591)
内木場 文男 日本大学, 理工学部, 助教授 (60366557)
小林 清吾 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (50153614)
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Keywords | 誤嚥性肺炎 / 不顕性肺炎 / マイクロファブリケーション |
Research Abstract |
本研究はマイクロファブリケーションを応用した不顕性誤嚥モデルマウス作成を目的として、マウス食餌に最適なマイクロファブリケーションの作成条件の完成を試みるものである。そこで誤嚥モデル作成に先立ち、micro-aspirationの病態を知るために、県北西部の2病院における1988-2004年の全剖検例(365例)のうち、不顕性誤嚥が死因に大きく関与した剖検例8例について臨床および病理組織学的に詳細な検討を加えた。全剖検例の19.5%が炎症により死亡し、そのうち37.0%が肺炎であった。8例の内訳は男性が7名を占め、平均年齢は75.0歳であった。肉眼的に、いずれの症例も左右両気管支に膿性ないし粘性内容物を含有し、右肺により炎症が強くみられたのが6症例であった。病理組織学的にいずれの細菌性細気管支炎の所見と一致し、さらにアポトーシスを検索すると、肺炎症例では対照と比較して細気管支線毛円柱上皮細胞ないし、気管支周囲平滑筋細胞に陽性所見が多く認められた。以上の結果からこれらの症例は、誤嚥を惹起する基礎疾患を有する場合が多く、また気管支内容物には口腔常在菌が認められたことから、不顕性誤嚥の繰り返しが存在したものと推察された。病理組織学的に誤嚥を増長させる要因のひとつとして、気管支線毛円柱上皮細胞および周囲平滑筋細胞でみられたアポトーシスの更新が病因に関与しているものと推察された。本結果は、誤嚥モデルマウス作成および評価時の重要な観察所見となりうる。
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Research Products
(3 results)