2006 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロファブリケーション技術を応用した不顕性誤嚥モデルマウス作製の試み
Project/Area Number |
16591839
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
久山 佳代 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (00234526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 浩嗣 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (00102591)
内木場 文男 日本大学, 理工学部, 助教授 (60366557)
小林 清吾 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (50153614)
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Keywords | 誤嚥性肺炎 / 不顕性肺炎 / マイクロファブリケーション |
Research Abstract |
本研究はマイクロファブリケーションを応用した不顕性誤嚥モデルマウス作製を目的として、マウス食餌に最適なマイクロファブリケーションの作成条件の完成を試みるものである。そこで平成16年度は不顕性誤嚥が死因に大きく関与した剖検例8例について検討を加え、誤嚥を増長させる要因のひとつとして、気管支線毛円柱上皮細胞および周囲平滑筋細胞でみられたアポトーシスの亢進が病因に関与しているものと推察された。そこで平成17年度は、上記所見を実験病理学的に確認する目的で高齢う蝕罹患ラットおよび高齢ラットに人工誤嚥を施した肺組織に対して、病理組織学的に検索を加えた。その結果、人工誤嚥を施した高齢う蝕罹患ラットは、高齢ラットと比較して炎症性反応が増長される傾向がみられた。平成18年度は、炎症反応が増長される原因を検索する目的で前年度作製した未染標本に対して、特殊染色および免疫組織化学的染色を施した。その結果、高齢う蝕ラットの肺胞内には炎症性細胞浸潤および水腫などの循環障害がみられ、肺胞壁には線維硝子化が観察された。これらはElastica・Hematoxylin染色にて赤染してみられた。また免疫組織化学的に肺胞内に浸潤していた炎症性細胞の多くがNeutrophil Elastaseで陽性を呈していた。さらに気管支線毛円柱細胞におけるssDNAの陽性所見は、上皮細胞のアポトーシス亢進による剥離・脱落を示唆する結果であった。一方高齢ラットでは、循環障害の所見よりも肺気腫を中心とした加齢変化が認められ、肺胞壁の脆弱化が観察された。また急性炎症の所見が認められるものの高齢う蝕罹患ラットと比較して軽度であった。誤嚥による気管支炎が発症しやすい背景は、加齢による肺胞壁の脆弱化よりもむしろ、慢性炎症による気管支線毛上皮の脱落の方がより影響を及ぼすものと示唆された。
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Research Products
(3 results)