2004 Fiscal Year Annual Research Report
エナメル上皮腫の新規実験モデル系の確立と術後再発の制御を目指した基礎的研究
Project/Area Number |
16591850
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
小崎 健一 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (50270715)
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Keywords | エナメル上皮腫 / 歯原性良性腫瘍 / 術後再発 / マウス皮下移植モデル / 不死化細胞株 |
Research Abstract |
本研究の目的は、代表的な歯原性良性腫瘍でありながら明瞭なmalignant potentialを有するエナメル上皮腫の予後を大きく左右する術後再発や悪性転化に関する分子機序の解明、ならびに同疾患に対する新たな治療法や再発制御法の開発である。これまでエナメル上皮腫の基礎研究に有用なin vitro実験系や動物実験モデルは皆無であったため、同疾患の基礎医学研究に資するべくin vitro/in vivo実験モデル系の確立を独自に試み、濾胞型エナメル上皮腫と叢状型エナメル上皮腫の2症例より不死化細胞株HAM1とHAM2の樹立に成功した。さらに、今年度の本研究においてHAM1とHAM2によるエナメル上皮腫のin vivoマウス移植モデル系の確立を世界に先駆けて完了した。本モデル系はSCIDマウスへの移植によって短期間で確実な嚢胞様腫瘍の形成が可能であり、且つin vivoにおいてもエナメル上皮腫としての病理組織学的形質をよく保持することが確認された。これら組織型の異なる2種類のヒト・エナメル上皮腫不死化細胞株の樹立とマウス移植モデル系の確立によって、エナメル上皮腫の再発や悪性転化に関する分子機序の解明、あるいは術後再発に対する新規治療法の開発等への貢献が可能と考えられる。一方、臨床的データの裏付けのあるエナメル上皮腫症例の収集と病理組織学的検討も遅滞無く進めつつある。 来年度は既に進めつつあるエナメル上皮腫症例の収集と病理組織学的検討の継続を図りつつ、網羅的発現解析等によるエナメル上皮腫関連遺伝子群の選別、さらにはエナメル上皮腫の診断・治療に有効なマーカー分子や標的分子の単離・同定を行う予定である。
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Research Products
(2 results)