2004 Fiscal Year Annual Research Report
分子シャペロンHSPはアポトーシスシグナルを制御する
Project/Area Number |
16591863
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
客本 斉子 岩手医科大学, 歯学部, 講師 (90118274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加茂 政晴 岩手医科大学, 歯学部, 助教授 (40214564)
帖佐 直幸 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (80326694)
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Keywords | 熱ショックタンパク質 / アポトーシス / ゲルダナマイシン / Fas / カスパーゼ / HSP |
Research Abstract |
本研究では、ヒト顎下腺由来腺癌細胞株(HSG)の抗Fas抗体誘導アポトーシスに熱ショックタンパク質90(HSP90)が関与するか否かを調べるために、HSP90の特異的阻害剤であるゲルダナマイシン(GDM)を用いて検討した。 <方法と結果>細胞死誘導は、GDMと抗Fas抗体(CH-11)の単独、ならびに両者処理(GDM前処理)により行った。細胞死の割合(%)はトリパンブルー排除法により求めた。また、ウェスタンブロット(WB)法によるpoly(ADP-ribose)polymeraseの切断、形態学的観察やTUNEL染色法によりアポトーシスを判定した。その結果GDMは、HSG細胞に単独でアポトーシスを誘導するとともに、CH-11誘導アポトーシスを増強した。また、GDM処理によるHSP90の発現量の増加がRT-PCR法とWB法により認められた。つぎに、HSP90αタンパクをHSG細胞に導入し細胞死誘導に対する影響を調べたところ、GDMならびにCH-11によるアポトーシス誘導はHSP90の導入による過剰発現で抑制された。このことから、HSG細胞内(in vivo)においてHSP90は抗Fas抗体誘導アポトーシスに対して抑制的に働いていることが示唆された。そこでつぎに、免疫沈降-WB法を用いてHSP90のターゲットタンパクの検索を行った。その結果、Caspase 8と、Caspase 8の活性化を制御しているとされるFADD-1ike ICE inhibitory protein (FLIP)がそれぞれHSP90と結合していることが明らかになった。 <結論>HSP90はFLIPやCaspase 8を介してFas誘導アポトーシスシグナルを負(anti-apoptotic)に制御していることが示された。
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Research Products
(2 results)