2004 Fiscal Year Annual Research Report
交感神経による骨代謝制御におけるニューロペプチドYの役割
Project/Area Number |
16591876
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
新井 通次 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (20097538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸苅 彰史 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (80126325)
茂木 眞希雄 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (00174334)
蛭川 幸史 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (60340147)
森田 あや美 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (70301629)
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Keywords | 骨芽細胞 / 交感神経 / ニューロペプチドY / アドレナリン / 骨代謝 |
Research Abstract |
交感神経にはノルアドレナリンと共にニューロペプチドY(NPY)やアデノシン3リン酸が伝達物質として共存する。本研究では、マウス骨芽細胞株(MC3T3-E1)におけるアドレナリン受容体(AR)およびNPY受容体(NPY-R)のmRNA発現をRT-PCR法にて解析した。MC3T3-E1細胞は、定常状態でβ2-ARを発現していたがNPY-Rの発現は認められなかった。MC3T3-E1細胞をアドレナリン(A)やイソプレナリン(I)で刺激するとNPY-Rの発現が誘導された。この誘導はプロプラノロールの前処置によって抑えられた。一方、メトキサミン刺激ではNPY-Rの発現を誘導しなかった。これらの知見は、骨芽細胞においてβ2-AR刺激がNPY-Rの発現を誘導することを薬理学的に示した。次に、β2-AR刺激によるNPY受容体発現誘導の意義を解析するために、β2-ARのみが発現する定常状態の細胞、およびβ2-AR刺激によりNPY-Rを発現させた細胞において、AやI刺激による破骨細胞誘導因子(RANKL)およびインターロイキン(IL)-6の発現に及ぼすNPYの影響を比較検討した。定常状態の細胞では、AおよびI刺激によりRANKLおよびIL-6の発現が増大した。これらの発現の増大効果にNPYの併用は影響を及ぼさなかった。一方、β2-AR刺激した細胞では、AおよびI刺激によるRANKLやIL-6の発現促進効果が減弱した。この減弱はNPYの併用でより顕著となった。これらの知見は、交感神経刺激によりNPY受容体が誘導されることでNPYが交感神経系による骨代謝調節に関わっている可能性を示唆した。
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