2005 Fiscal Year Annual Research Report
口腔ジスキネジア発症機構の神経化学的および行動薬理学的検討
Project/Area Number |
16591897
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
三枝 禎 日本大学, 歯学部, 講師 (50277456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越川 憲明 日本大学, 歯学部, 教授 (80130491)
富山 勝則 日本大学, 大学院・総合科学研究科, 助教授 (40197942)
池田 弘子 日本大学, 歯学部, 助手 (70297844)
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Keywords | ドパミン / 線条体 / 側坐核 / 脳微小透析法 / dexamphetamine / reserpine / α-methyl-p-tyrosine / ラット |
Research Abstract |
口腔ジスキネジアの発現には,黒質線条体系ドパミン(DA)神経機能亢進が関与することが指摘されている。細胞外に放出されたDAは,シナプス小胞のみならず細胞質にも由来しており,DA合成律速酵素阻害薬のα-MPTがこの細胞質プールの役割の研究に用いられている。Dexamphetamineは,線条体背側部に局所投与すると同部位のDA放出を促進するが,このDA放出における細胞質プールの役割の詳細は明らかでない。そこで,このdexamphetamineの線条体背側部への局所投与が誘発したDA放出における細胞質プールの役割についてα-MPTを用いて検討を行った。また,小胞内DA枯渇薬のreserpineも用いてこのdexamphetamine誘発DA放出におけるシナプス小胞プールの関与についても検討を行った。その結果, 1.ラットの線条体背側部へのdexamphetamineの局所注入(1.0,0.5μg/0.5μl)は,同部位のDA量を用量依存的に増加した。 2.Dexamphetamine(1.0μg/0.5μl)誘発DA放出は,2時間前のα-MPT(250mg/kg i.p.)処置で約65%が,また,24時間前のreserpine(5mg/kg i.p.)処置で約79%がそれぞれ抑制され,α-MPTとreserpineの併用処置でほぼ完全に消失した。 3.基礎DA放出とdexamphetamine誘発DA放出に対するα-MPTとreserpineの抑制効果の合計は,それぞれ基礎DA放出で約146%,dexamphetamine誘発DA放出では約144%であった。 以上の結果から,dexamphetamineのラットの線条体背側部への局所投与の誘発したDA放出は,細胞質とシナプス小胞の両方に由来することが示された。さらに,DAはシナプス小胞から細胞質へ移動する可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)