2004 Fiscal Year Annual Research Report
樹状細胞ワクチン法を導入した特異的GVT療法の口腔がんへの応用
Project/Area Number |
16591901
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
大野 純 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (10152208)
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Keywords | GVT / がん免疫 / 樹状細胞 / GVHD / がんワクチン療法 / 悪性黒色腫 / 免疫組織化学 / マウス |
Research Abstract |
平成16年度の計画は、1)樹状細胞(DC)ワクチン法の開発と2)担がん局所での腫瘍細胞の動態であった。1)については、(1)樹状細胞の単離と(2)腫瘍細胞(関連)抗原のDCへのパルスに関して検索を進めた。DCは、class II+CD83-の幼若型を単離できた。幼若DCは、培養液中にTNFを添加して培養するとCD83+の成熟型へ分化することが明らかとなった。したがって、(1)についてはDCワクチンに使用するDCは、幼若型および成熟型の両者を用いて検索可能となった。これらのDCを利用しての腫瘍抗原パルスについては、現在までのところ再現性が得られていない。その原因としては、腫瘍抗原の全RNAをパルスに用いているが、subtractionが上手く行われていない可能性が考えられる。そのため、腫瘍特異的なRNAの精製に至っていない。この点に関しては、平成17年度の第一課題とする。2)については、腫瘍を播種した舌組織を用いて免疫組織化学的検索を試みた。とくに、腫瘍細胞のリンパ管浸潤機序に関与する脈管系と腫瘍細胞の相互作用について検討した。具体的には、腫瘍細胞がVEGFを発現していること、ICAM-1は恒常的には発現していないが、サイトカインにより免疫組織化学的に発現が誘導されることを明らかにした。これらの知見は、腫瘍細胞の原発巣での動態の一端を解明したもので、高率にリンパ節に転移する機序の解明の一助になるものと考える。さらに、腫瘍細胞の細胞表面には、シアル酸を特異的に発現していることがSNAレクチンを使用した組織化学的検索により明らかとなった。この知見も転移機構に関与するものと考え、平成17年度も継続して腫瘍細胞の原発巣での動態を免疫組織化学的に検討する予定である。
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