2005 Fiscal Year Annual Research Report
レジン修復物の重合収縮応力緩和効果を有する臨床技法の確立に関する研究
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16591907
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
吉川 孝子 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (00182733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 恒彦 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70282762)
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Keywords | 重合収縮応力 / コンポジットレジン / 辺縁封鎖性性 / 窩壁適合性 / 接着強さ |
Research Abstract |
光重合型コンポジットレジンは、重合が急激に進むため、窩壁適合性が化学重合型レジンに比べ劣るという欠点を有している。また、弾性のある接着材を用いると、レジン修復物の辺縁封鎖性と窩壁適合性を向上させるが、窩底部象牙質におけるレジンの接着強さが低下する。一方、フロアブルレジンは、レジン修復物の窩壁適合性を向上させる。しかしながら、レジン修復物の窩壁適合性と窩洞内各部の微少接着強さに与える影響を同時に評価した研究は僅かである。そこで、レジン修復物の辺縁封鎖性ならびに窩壁適合性に及ぼす影響を色素浸透法を用いて数値的に評価すると同時に、レジンと窩底部象牙質との微小接着強さに与える影響についても評価検討した。 牛下顎永久切歯の唇側象牙質面に、円柱状の窩洞を形成し、窩洞面を業者指示に従いClearfil Mega Bondを用いて処理した後、ハイブリッドレジンまたはフロアブルレジンを填塞した。光照射を行い重合硬化させた後、試料のレジン-象牙質界面が約1mm^2となるようトリミングし、微小引張り接着強さを測定した。これらの結果について統計処理を行った。次に、レジン修復物の辺縁封鎖性ならびに窩壁適合性を評価するため、同様に作製した試料の窩洞辺縁と半切面上で1.0%アシッドレッドプロピレングリコール溶液による色素浸透試験を行った。色素浸入度は、色素浸入部位の長さの窩縁または窩壁全周に対する百分率を算出した。これらの結果についても統計処理を行った。 その結果、フロアブルレジンの窩壁適合性は、ハイブリッドレジンより有意に高かった。しかしながら、その窩底部象牙質に対する接着強さは、ハイブリッドレジンより有意に低かった。これは、フロアブルレジンの物性が低いことによるものと考えられる。 窩底部象牙質接着強さと窩壁適合性の間には相関は認められなかった。
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Research Products
(1 results)