2004 Fiscal Year Annual Research Report
アミノ酸骨格モノマーを応用したセルフエッチングプライマーアドヒーシブの開発
Project/Area Number |
16591911
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
鳥井 康弘 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 教授 (10188831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
糸田 俊之 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (60294419)
鈴木 一臣 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (30050058)
吉山 昌宏 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10201071)
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Keywords | 象牙質 / 接着強さ / コンポジットレジン / アミノ酸誘導体 / セルフエッチングプライマーアドヒーシブ |
Research Abstract |
アスパラギン酸を骨格とするアクリレート(N-AAsp)の水溶液が象牙質接着のセルフエッチングプライマーとして機能することは既に報告した。本研究では,N-AAsp含有溶液のセルフエッチングプライマーアドヒーシブとしての応用性を調べた。 N-AAspは,既報に従ってアクリル酸クロリドとDL-アスパラギン酸から合成した。セルフエッチングプライマーアドヒーシブを作製するためには、プライマーに重合性モノマーを調合しなければならない。従って重合性モノマーを添加するために、プライマーは有機溶媒であることが必要である。そこでまず、アルコール、アセトン、水のそれぞれの配合比の溶媒にN-AAspを溶解し接着性への影響を調べ、重合性モノマー添加の可否を検討した。牛歯象牙質を試作プライマーで60秒間処理し、市販の光・化学重合型ボンディング材(Photobond)を塗布・重合させ、コンポジットレジンとの接着強さを測定した。その結果、N-AAspを濃度10w%で100%水溶液に溶解した場合は象牙質接着性が10.4±3.9MPaであったが、50%アセトン水溶液で11.3±1.5MPa、50%エタノール水溶液では6.0±2.2MPaとなり、50%アセトン水溶液が接着性に悪影響はないことがわかった。 そこで、10w%N-AAsp含有50%アセトン水溶液に重合性モノマーとしてTEGDMAを5wt%添加し、カンファーキノンおよびN,N-ジメチルp-トルイジンを1wt%配合してプライマーとして応用し象牙質接着強さを調べたところ、13.5±1.6Mpaと比較的高い値が得られた。以上より、N-AAspを有機溶媒としてアセトンに溶解し重合性モノマーを添加しても象牙質接着性への悪影響は生じないことがわかった。次年度は、セルフエッチングプライマーアドヒーシブとしての応用性をさらに詳細に検討する予定である。
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