2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16591914
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
白井 憲一 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (20325179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒川 真 広島大学, 病院・助手 (60379881)
吉田 靖弘 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (90281162)
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Keywords | 接着性モノマー / 接着 / X線光電子分光分析装置 / 透過型電子顕微鏡 |
Research Abstract |
接着性モノマーが歯牙に及ぼす影響を解明するため、市販接着システムの接着性モノマーとして幅広く応用されている4-methacryloxyethyl trimellitic acid (4-MET)、2-methacryloxyethyl phenyl hydrogen phosphate (phenyl-P)および10-methacryloxydecyl dihydrogen phosphate (10-MDP)を用い、その接着メカニズムを化学的および形態学的に検討した。 X線光電子分光分析では、いずれにおいても歯芽硬組織主成分であるハイドロキシアパタイト表面と化学的に結合しているが、特に10-MDPは臨床を考慮した短時間においても高い吸着量を示した。さらに過酷な口腔内環境においてその化学結合の安定が接着耐久性に多大な影響を及ぼすことから、原子吸光分光分析法を用い、3つの接着性モノマーのカルシウム塩の溶出量を検討した結果、最も化学的に安定していたものは10-MDPであることも確認された。透過型電子顕微鏡を用い形態学的観察を行った結果、全ての接着性モノマーを応用した接着システムにおいて接着耐久性などに影響を及ぼす樹脂含浸層は数マイクロメータ程度のものであった。 現在、接着性モノマーの3次元分子構造が歯牙への接着特性に影響を解明するため、接着性モノマーの歯質配向側におけるカルボキシル基の位置、数を変えた分子について、その硬組織接着機能を検討している。
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