2006 Fiscal Year Annual Research Report
露出歯髄にEnamel Proteinsを用いた象牙質の形成誘導について
Project/Area Number |
16591921
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
中村 幸生 昭和大学, 歯学部, 助教授 (40207931)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 治爾 昭和大学, 歯学部, 講師 (90191783)
村上 宜子 昭和大学, 歯学部, 講師 (10297038)
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Keywords | ameloblastin / 歯髄 / 象牙質 / 創傷治癒 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
今までの我々の研究により、enamel matrix derivative(EMD)を露出歯髄に投与した場合、大量の修復象牙質の形成が短期間に生じることが明らかになった。また、免疫組織化学的な観察により、enamel proteinsの1つであるsheathlin(ameloblastin, amelin等、動物により名称が異なる)が、1)修復象牙質形成と2)損傷を受けた歯髄の治癒に大きく関与していることが示唆された。本研究では、ameloblastinを露出された歯髄に投与することで、修復象牙質形成誘導の作用機序をより明確にすることが目的である。実験には17匹の成熟したミニブタの切歯28本を用いた。断髄を施した後、Recombinant ameloblastin(実験群)と水酸化カルシウム(対照群)により、露髄面をそれぞれ覆った。術後2,4,8週にわたり、実験歯は経時的に抜歯され組織標本を作製した。実験歯は、HE染色と免疫組織化学的手法(抗ameloblastin,抗type I collagen, DSP)によって光学顕微鏡で検索を行った。また、本実験に用いたrecombinant ameloblastinは、化学的に不安定であり、冷凍保存によって実験を行った報告がない。そのため、研究協力者であるオスロ大学歯学部S.P.Lyngstadaas教授のもとで動物実験等を試行した。 得られた結果は、以下のとおりである。すなわち、Ameloblastinを投与した歯では、大量の修復象牙質の形成が術後2,4,8週のすべて観察期間で認められた。これは対照群と比べ、有意に早く、また大量に形成が生じるものであった。組織・免疫組織化学的な観察により、新たに形成された硬組織は象牙質と考えられる組織であった。以上の結果から、ameloblastinが損傷を受けた歯髄において創傷治癒を促進させ、その結果として修復象牙質の形成を引き起こすことが示唆された。
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Research Products
(3 results)