2004 Fiscal Year Annual Research Report
難治性根尖性歯周炎の一酸化窒素産生における血管内皮細胞の役割
Project/Area Number |
16591923
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
武市 収 日本大学, 歯学部, 講師 (10277460)
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Keywords | 一酸化窒素 / 一酸化窒素合成酵素 / 歯根のう胞 / 歯根肉芽腫 / 根管滲出液 / RT-PCR法 / サイトスピン / ヘマトキシリン-エオジン染色 |
Research Abstract |
1.根尖病巣組織:臨床的に歯根のう胞と診断された、全身疾患を持たない21歳から56歳の男女20名から、根尖切除術の際に得られた根尖病巣組織を採取し、本研究に供試した。得られた組織をホルマリンで固定したのちパラフィン切片を作製し、ヘマトキシリン-エオジン重染色を施したところ、16例が歯根肉芽腫で、4例が歯根のう胞であった。 2.根管滲出液:排膿が止まらない難治性根尖性歯周炎の患者から、ガラス毛細管を用いて根管滲出液を採取した。採取後直ちに希釈し、遠心分離したのち液性成分と細胞成分とに分離した。細胞成分についてはその後、サイトスピンを用いてpoly-L-lysineでコートしたスライドガラス上に貼り付け、Wright染色を施した。光学顕微鏡で観察したところ、96%以上が多形核白血球であった。また一部は4%paraformaldehide-PBSで固定したのち凍結保存した。 3.根管滲出液内のNO測定:2.で得られた根管滲出液の液性成分を用いて根管滲出液内のNO測定を行った。Griess液を用いて根管滲出液内のnitrateをnitriteに変換したのち、比色計を用いてnitriteの量を測定したところ、1.02〜4.45μMであった。 4.根管滲出液内細胞成分のiNos遺伝子の検索:2.で得られた根管滲出液の細胞成分からTRIzolを用いてRNAを抽出し、逆転写酵素を用いて相補的なDNAを作製した。次いで、ヒトiNos特異的なPCRプライマーを用いてiNOS遺伝子を増幅し、アガロースゲル上で検出した。その後、ナイロンメンブレン上に転写し、iNOSのプローブを用いてSouthern Hybridization法を行い、その特異性を確認した。
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