2005 Fiscal Year Annual Research Report
難治性根尖性歯周炎の-酸化窒素産生における血管内皮細胞の役割
Project/Area Number |
16591923
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
武市 収 日本大学, 歯学部, 講師 (10277460)
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Keywords | 一酸化窒素 / 誘導型一酸化窒素合成酵素 / 歯根のう胞 / 歯根肉芽腫 / E-セレクチン / 免疫染色 / 蛍光二重免疫染色 / HUVEC |
Research Abstract |
1)誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)の免疫組織化学的検索:根管滲出液内細胞成分のサイトニスピン標本と根尖病巣組織の凍結切片を用い、抗ヒトiNOS抗体および抗ヒトE-セレクチン抗体を用いた免疫染色を行ったところ、滲出液内好中球(PMNs)はiNOS陽性を示した。根尖病巣をヘマトキシリン-エオジン重染色し、歯根肉芽腫と歯根のう胞に分類したのち免疫染色したところ、歯根肉芽腫および歯根のう胞内のマクロファージ、リンパ球、線維芽細胞あるいはPMNsのiNOS陽性と血管内皮細胞のiNOSおよびE-セレクチン陽性を確認した。また、歯根のう胞の上皮細胞はiNOS陽性を示した。 2)蛍光二重免疫染色法:FITCまたはRITCで蛍光標識したiNOSまたはE-セレクチン抗体を用い、蛍光二重免疫染色を行ったところ、血管内皮細胞の中にはiNOSとE-セレクチンを共に産生しているのが確認された。 3)Polphylomonus gingivalisからのLPS抽出:P.gingivalisから温フェノール法を用いてLPSを抽出した。 4)末梢血PMNs(PB-PMNs)の分離:通法に従い、末梢血からPMNsを分離した。 5)ヒト臍帯静脈血由来血管内皮細胞(HUVEC)とPB-PMNsの共培養:HUVECにヒトインターロイキン(IL)-1またはガンマーインターフェロン(IFN-γ)とP.gingivalisから抽出したLPSで刺激し、その後PB-PMNsとBoyden chanber内で共培養したところ、IL-1、IFN-γおよびP.gingivalisから抽出したLPSを添加していないコントロール群に比較して、より多くのPMNsが遊走した。 6)NOの測定:5)で得られた培養上清中のnitrite量を測定した結果、コントロール群に比較して、IL-1またはIFN-γ添加群で、より多くのnitriteが産生されていた。
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