2005 Fiscal Year Annual Research Report
多孔質セラミックス担体を用いた未分化間葉細胞分化による歯髄・象牙質複合体再生
Project/Area Number |
16591930
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
戸田 忠夫 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (70067023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
好川 正孝 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (70148451)
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Keywords | 多孔質セラミックス担体 / 未分化間葉細胞 / 歯髄・象牙質複合体 / 再生 |
Research Abstract |
象牙質再生に最も適した形状の多孔質セラミックスを作製し、さらに、それを担体として用いて自己の未分化細胞から歯髄・象牙質複合体を再生し、歯根再生を実現することが本研究の目的である。 従来の研究結果から、象牙質再生に適した多孔質セラミックス担体の気孔率は55%、そして、気孔径は150〜300μmとして、これらの条件で多孔質セラミックス担体の作製をメーカーに依頼した。その形状は円柱を基本として、歯の形状に留意して円筒状の担体を作製した。 多孔質セラミックス担体の形状は気孔内での骨形成量に影響を及ぼすことがin vivoの実験で確認された。ラット背部皮下に埋入された円柱状の担体での骨形成量は円筒状の骨形成量より少なかった。円筒状の多孔質セラミックス担体では周囲組織との接触面積が大きく、栄養および骨形成に必要な生理活性物質が気孔内に有効に運ばれる故であると考えられる。円筒状担体の中空部には結合組織が増殖し、気孔内にも小血管を含む結合組織の侵入が認められた。一方、円柱状の担体においては中心部に存在する気孔には結合組織の増殖が認められなかった。 なお、歯髄・象牙質複合体の再生、さらには、歯根の再生にとって、象牙質形成能を有する多数の間葉系細胞が必要であるがその採取は困難であり、培養系での象牙質形成には長期間を必要とすることは明らかである。今年度は、円筒形の多孔質セラミックス担体を用いて、より少数の間葉系細胞から硬組織を形成する可能性を見出すことができた。この結果は、象牙質再生に向けての今後の研究において極めて有意義と考える。
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Research Products
(2 results)