2004 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の嚥下機能に対する食品の物性や感性が及ぼす影響についての基礎的研究
Project/Area Number |
16591940
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
五十嵐 敦子 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (90168097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 好秋 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (80115089)
野村 修一 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (40018859)
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Keywords | 食品物性 / 舌口蓋接触圧測定 / 官能評価 / 飲み込みやすさ / 即溶性低強度寒天 |
Research Abstract |
今回我々は、ゼラチンに物性が近く普通寒天の長所をもつ介護食用に開発された即溶性低強度寒天(伊那寒天食品工業株式会社製)を用いて,試料の硬さや味,一回量を変化させて飲み込みやすさに影響を与える因子を検討し,さらに食品の物性の違いによる嚥下時の舌運動や嚥下関連筋活動の変化を検索し,飲み込みやすさとの関係を検討した。 食品の物性では、寒天濃度が増すと硬さ,付着性は大きくなったが,凝集性にはあまり変化はみられなかた.官能評価では、やわらかく、おいしいと感じるものが飲み込みやすいと評価された。生理機能評価では、顎二腹筋筋電図・舌接触圧ともに硬さが増すにつれ,持続時間が長くなる傾向がみられ、舌後方接触圧では硬さが増すにつれ最大値・積分値は大きくなる傾向がみられた.VAS法での官能評価は,試料の硬さが増すにつれ,飲み込みづらく感じるという結果となった. 今回の実験で,舌接触圧や筋電図測定結果が物性測定や官能評価の結果と同じ傾向がみられ、食品の硬さが増すと,嚥下時の食塊輸送の時間が延長し,舌後方と口蓋の接触圧が大きくなることが認められた。そのゆえ、これらの値が飲み飲みやすさと大きく関係する可能性があることが示唆された.食品の評価は,今までは物性測定・官能評価でのみおこなわれていたが、今回の研究から,フィルムセンサーを用いた舌口蓋接触圧測定が,飲み込みやすさを評価する指標になり,簡便に行える嚥下機能評価として有用であることが示唆された.
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