2005 Fiscal Year Annual Research Report
インプラントの超早期荷重を可能にする因子に関する遺伝子工学的アプローチ
Project/Area Number |
16591958
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松下 恭之 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教授 (60159150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鮎川 保則 九州大学, 大学病院, 講師 (50304697)
鳥谷 浩平 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (50188835)
古谷野 潔 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (50195872)
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Keywords | インプラント / osseointegration / 早期負荷 / 骨 |
Research Abstract |
インプラント治療は予知性の高さから欠損補綴治療の重要なオプションとして注目されている。インプラントの安定には3〜6ヶ月以上の安静期間が必要とされており、この期間の短縮が為されれば、QOL向上に対する寄与は計り知れない。そのため近年、インプラント埋入後即時負荷をさせる手法が臨床の場に導入されているが、経験的に行われているに過ぎず、科学的エビデンスによる裏付けはなされていない。 そこで本研究では、初期のosseointegration成立に安静期間の短縮が可能と仮説をたて、負荷開始時期、負荷の量(荷重)と骨の治癒との関連について検討することを目的とした。今年度は、負荷期間の違いによるインプラント周囲組織に関する知見を把握すること、負荷を作用させた際にインプラント周囲組織にどのようなタンパクが発現するかを網羅的に解析することを目的とした。 まず、イヌに埋入された2本のインプラント間に一定の応力を作用させ、周囲組織の変化を経時的に検討したところ、7日経過以降ではインプラント周囲骨の、破骨細胞によらないと見られる破壊が観察された。 そのため、本研究では応力負荷後1日、7日目におけるインプラント周囲のタンパク質発現をマイクロアレイ法を用いて網羅的に解析した。その結果、応力を作用したために発現に変化を来したタンパク質が多数認められた。これらのタンパク質はosseointegrationの成立阻害に重要な役割を果たしていることが示唆された。
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