2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16591959
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
山邉 芳久 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (90191379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 和子 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (50172771)
田中 美保子 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (00304957)
小池 麻里 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (00234667)
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Keywords | 咬合物質硬度 / タッピング力 / 下顎運動曲線 / 運動調節 / 開口距離 |
Research Abstract |
1.咬合物質硬度可変装置の製作 被験者の上下顎にCo-Cr合金で鋳造したシーネを作製した.上顎シーネには,表面に扇形(中心角120°)の硬度が異なる3種類のウレタンゴム(JIS K6235 A50,A70,A90,下関パッキング)を貼付した回転板を設置した,下顎シーネには金属ピンを設置し,中心咬合位で金属ピンの先端がゴム板の中心に表面に対して垂直に接するよう調整した. 反復下顎タッピング運動時の下顎運動曲線(MKG K6, Myotronics)をトリガーパルスとして回転板を駆動して,金属ピンと接するウレタンゴムの種類を変えることで咬合物質硬度を変化させた.円盤の回転は硬度変化の順序と間隔がランダムに配置されるようコンピュータ制御を行った. 回転板の制御信号をタッピング力,下顎運動曲線とともに同時記録し,本システムを用いて咬合物質硬度の変化が予測不可能な条件下で咬合力および下顎運動曲線の経時的連続的変化を観察できることを確認した(島田他,2004). 2.咬合物質硬度の予測できない変化がタッピング時の咬合力に与える影響の解析 健常成人6名(平均年齢27.1歳)を被験者として上記装置を用いた実験を行った.なお,運動課題は,軽度のタッピング力を一定に保つこととした.なお,分析の対象は咬合物質硬度の変化が最も大きいパターン1(A50→A90)とパターン2(A90→A50)とした. タッピング力は咬合物質硬度が大きくなると有意に増大し,逆に硬度が小さくなると有意に低下した(いずれもP<0.0001).また,パターン1では開口距離が硬度の変化前後で有意に短くなり,変化後4回目には変化前との差がなくなっていたが,パターン2ではこのような変化はみられなかった. 以上の結果は連続タッピング運動時に被験者が咬合物質硬度の変化を予測できないときに一定のタッピング力を維持することの困難さを反映したものと考えた.
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