2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16591967
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
菅沼 岳史 昭和大学, 歯学部, 講師 (10196694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新谷 明幸 昭和大学, 歯学部, 助教授 (10119208)
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Keywords | ブラキシズム / 歯根膜 / 判別閾 / 咬合力 / 歯の変位 |
Research Abstract |
本研究では,ブラキシズムの顎口腔系への影響の現れ方の違いを歯根膜の機能との関連から解明することを目的として,ブラキシズムが歯根膜の判別閾および咬合力による歯の変位に及ぼす影響について検討を行った. これまでに14名の被験者から得られた結果として,ブラキシズム群の歯根膜の判別閾は,右側が(朝17.1±3.8μm,夕16.9±3.5μm),左側が(朝17.1±5.3μm,夕17.4±4.9μm),正常者群では,右側が(朝28.1±4.6μm,夕29.0±7.5μm),左側が(朝31.2±4.3μm,夕 31.2±8.6μm)であった.多変量分散分析の結果,両群とも朝,夕の測定時期による判別閾の差はなかった.また,左右差もなかった. ブラキシズム群の判別閾は17.1±3.8μm,正常者群の判別閾は29.9±5.6μmであり,正常者群が有意に大きな値となった(p<0.0003). 以上のことから,ブラキシズム群は正常者群に比べ歯根膜感覚が鋭敏であり,そのため歯根膜咬筋反射が誘発されやすく,持続的な強い筋活動となって現れる可能性が考えられる.また,臨床的には,咬合調整の時間帯による影響はないが,ブラキシズムを有する患者への咬合調整にはいっそうの注意を払う必要性が示唆された. なお,ブラキシズム群と正常者群の分類に携帯型表面筋電位計測器を用いたが,機器の不具合と故障および修理に時間を要したため,一部の被験者は問診のみでブラキシズムの有無を判定した.そのため,当初の予定より研究の進行が遅れており,現在,さらに両群の咬合力による歯の変位様相について検討を行っている.
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