2005 Fiscal Year Annual Research Report
固形癌内部環境下に特有なシスプラチン耐性規定因子の検討
Project/Area Number |
16592000
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
目瀬 浩 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (40325098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 朗 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00170663)
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Keywords | CDDP(シスプラチン)耐性 / 固形癌内部環境 / グルコース飢餓 / 低酸素 / ヌクレオチド除去修復 / DNAミスマッチ修復 |
Research Abstract |
本研究は、固形癌における固形癌内部環境に特有なシスプラチン(CDDP)耐性誘導機構を解明すると同時にその誘導因子を同定することを目的に行った。平成17年度は平成16年度に引き続きCDDP耐性細胞の固形癌内部環境下CDDP感受性規定因子を明らかにし、固形癌内部環境下CDDP規定因子をターゲットとしたCDDP耐性解除およびその治療法を検討した. 1.CDDP感受性規定因子の検討 口腔扁平上皮癌細胞株において、固形癌内部環境(低酸素・グルコース飢餓環境)下でのCDDP感受性を規定する因子としてヌクレオチド除去修復(NER)またはDNAミスマッチ修復(MMR)が関与することが示唆された。 2.治療法の基礎的研究(CDDP耐性解除の可能性) DNAポリメラーゼ阻害剤AphidicolinをCDDPと併用することにより、CDDPの高感受性化が認められた。また、細胞周期分析においてCDDP、Aphidicolin併用後G1期への集積が認められ、同時にAphidicolin処理後24時間よりSub-G1期が観察されアポトーシスの誘導も示唆された。このことは、CDDPのDNA損傷に対する修復機構においてDNAポリメラーゼによる正常DNA鎖の合成がAphidicolinによって抑制され、DNA損傷修復が行われずDNA損傷が残存したためアポトーシスが誘導されたためと考えられた。 以上より固形癌におけるCDDP耐性解除にDNAポリメラーゼ阻害剤併用による薪たな癌化学療法の可能性が示唆された。
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