2005 Fiscal Year Annual Research Report
NK細胞活性化受容体の遺伝子多型を指標とした口腔癌のオーダーメイド治療の開発
Project/Area Number |
16592002
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
谷 亮治 広島大学, 病院, 助手 (10291486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 哲治 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00169153)
虎谷 茂昭 広島大学, 病院・講師 (90172220)
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Keywords | NK細胞 / MICA遺伝子多型 / 口腔癌 / 疾患感受性 / 可溶性MICA / オーダーメイド治療 / NK活性 / 分子標的抗原 |
Research Abstract |
ナチュラルキラー(NK)細胞は、自然免疫において発癌抑止に重要な役割を果たすことが知られている。近年、NK細胞を活性化するレセプターとしてNKG2D分子が明らかになり、NKG2Dは、そのリガンドであるMICA(MHC class I chain-related molecule A)を認識すると細胞傷害活性を誘導することが報告された。 本研究では、口腔扁平上皮癌(OSCC)の疾患感受性とMICA遺伝子多型の関連性、およびOSCCの治療経過と血清中の可溶性MICA(sMICA)の関係について検討し、以下のことが明らかとなった。 1.MICA遺伝子多型解析の結果、OSCC患者ではA5.1型を有する個体の頻度が対照と比較して有意に高かった。 2.OSCC由来細胞株および唾液腺癌由来細胞株においてもA5.1型を有する細胞が多くみられ、それらはすべてA5.1ホモ接合型であった。 3.A5.1型OSCC患者では、初診時のNK活性は低い傾向にあった。特に4/5.1ヘテロ接合型個体および5.1ホモ接合型個体ではOSCC患者平均に比べて有意に低下していた。 4.血清中のsMICA濃度を測定した結果、対照ではほとんど検出できなかったが、OSCC患者では平均4.5ng/mlと有意に高値を示した。 5.血清中のsMICA濃度はMICA遺伝子多型とは相関性はなく、癌の進展,再発や転移に伴い上昇することが明らかとなった。 以上の結果から、OSCCの疾患感受性とMICA遺伝子多型は密接に関連しており、特にA5.1型を有する個体ではその危険性が有意に高いことが明らかとなった。さらに、sMICA濃度はOSCCの進展、再発や転移などの臨床病態の悪化に伴い上昇したことから、MICA分子はOSCCの新たな分子標的抗原として有用である可能性が示唆された。
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