2004 Fiscal Year Annual Research Report
シクロオキシゲナーゼ2インヒビターによる口腔癌の化学予防に関する実験的研究
Project/Area Number |
16592011
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
山本 一彦 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (20243842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
傳田 阿由美 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (90110858)
桐田 忠昭 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70201465)
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Keywords | cyclooxygenase-2 / etodolac / nimesulide / 4-nitroquinoline 1-oxide / tongue cancer / rat / chemoprevention / receptor for advanced glycation end products |
Research Abstract |
4-nitroquinoline 1-oxide (4-NQO)によるラット舌発癌モデルにおいて発生する病変におけるCyclooxygenase(COX)-2とReceptor for advanced glycation end products(RAGE)蛋白質の発現について免疫組織化学的に検討を行うとともに、COX-2の選択的阻害剤の効果について検討した。 実験には6週齢F344ラット用い、4-NQOを30ppmの濃度で飲料水に混じて12週間投与し、その後、etodolacとnimesulideを150ppm、300ppmの濃度で16週間混餌投与した。発生した舌病変は、組織学的に上皮過形成、上皮異形成、乳頭腫、扁平上皮癌に分類した。 その結果、扁平上皮癌の発生頻度は4-NQO単独群に比べ、etodolacおよびnimesulide投与群では有意に減少した。免疫組織化学的にCOX-2蛋白質は、上皮過形成と乳頭腫では基底細胞に陽性、上皮異形成および扁平上皮癌では基底細胞、異型細胞および癌細胞に陽性を示した。一方、RAGE蛋白質は、上皮過形成では顆粒細胞層に弱陽性、乳頭腫では弱から中等度陽性、上皮異形成および扁平上皮癌では異型細胞および癌細胞に陽性を示した。また、COX-2の選択的阻害剤はいずれもCOX-2蛋白質の発現を減弱しなかったが、RAGE蛋白質の発現を減弱せしめた。 以上より、4-NQOによるラット舌発癌過程において、COX-2とRAGE蛋白質が密接に関与することが示唆された。
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