2006 Fiscal Year Annual Research Report
口腔顎顔面インプラントへの抗菌性チタンの臨床応用に関する基礎的研究
Project/Area Number |
16592019
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
代田 達夫 昭和大学, 歯学部, 講師 (60235760)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 雅典 昭和大学, 歯学部, 教授 (50180394)
柴田 陽 昭和大学, 歯学部, 助手 (30327936)
松浦 光洋 昭和大学, 歯学部, 助手 (00297037)
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Keywords | 口腔顎顔面インプラント / 抗菌チタン / 宿主防御反応 / 糖尿病 / 口腔再建 |
Research Abstract |
チタン製インプラントに対する抗菌処理が、インプラント周囲組織における宿主防御反応に与える影響を明らかにするために以下の課題について検討した。 1.高血糖がインプラント周囲組織における宿主防御反応に及ぼす影響 10週齢の雌のSDラット20匹を用い、ストレプトゾトシン投与群10匹と対照群10匹の2群に分けた。各群のラットの脛骨に直径2mm、長さ5mmの純チタン製スクリューを埋入し、4週間後に屠殺した。作製した標本は、通法に従いHE染色および免疫染色を行い、インプラント周囲の軟組織における炎症性細胞浸潤を顕微鏡下にて検討した。 その結果、高血糖ラット群のインプラント体周囲の軟組織は、対照ラット群と比べて、好中球の浸潤が著明であった。上皮下では好中球の浸潤が著明であり、Tリンパ球およびマクロファージの漫潤はあまりみられなかった。また、純チタンの抗菌処理を行ったインプラントを用いたところ、純チタンインプラントと比べて、炎症性細胞の浸潤様式に差はみられなかった。 ストレプトゾトシン投与群では、対照群と比較してチタンスクリュー周囲の軟組織内に好中球およびマクロファージの浸潤が多く認められ、炎症が長期に渡り存在している傾向が認められた。 2.移植皮膚組織における宿主防御反応に関する検討 ビーグル犬10頭を実験に用い、小臼歯を抜歯徐腹部より皮膚を採取して抜歯部の無歯顎堤に移植した。移植後約3ヶ月経過した後に、純チタン製インプラントを埋入し、インプラントを埋入後3ヶ月経過してから顎骨を摘出し、インプラント体周囲組織の宿主防御反応を組織学および免疫組織学的に解析した。その結果、植皮部におけるインプラント体周囲組織の炎症反応は、粘膜組織における炎症反応より毛著明であることが明らかとなった。
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