2004 Fiscal Year Annual Research Report
炭酸含有アパタイトと骨髄幹細胞を用いた組織工学的骨形成
Project/Area Number |
16592028
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
笠井 唯克 朝日大学, 歯学部, 助手 (30319123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 豊 朝日大学, 歯学部, 教授 (40116067)
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Keywords | 炭酸含有アパタイト / 多孔体 / 骨芽細胞 / 組織工学 / 細胞培養 / 培養骨 / 骨形成 / scaffold |
Research Abstract |
初年度の研究計画は、炭酸含有アパタイト(CAP)の多孔体ブロックを作成することと、多孔体ブロックにラットの骨髄から採取した骨髄細胞をCAP多孔体ブロック内で培養したものをラットの皮下に埋入し異所性の骨を形成ざせ、組織学的観察することであった。 CAP多孔体ブロックの作成方法は、CAP顆粒をスラリと混和し、紙枠で成型、焼結して作製した。この方法により作成された多孔体ブロックをμCT装置で観察し、三次元像として捉えると共に画像解析ソフトにより気孔が連続することと気孔率が40.8%であることを確認した。 開発したCAP多孔体ブロックをラット大腿骨から採取した骨髄細胞懸濁液に浸漬して培養細胞を付着させ14日間培養したのちラット背部皮下に埋入した。その結果、組織学的観察により4週間目にブロックの気孔内でCAP顆粒表面に沿って骨形成が認められ、8週間目には気孔内の骨は成熟し形成された骨で気孔が埋まっている部位も観察された。また、骨髄細胞をCAP多孔体に付着させ培養を行わずにラット背部皮下に埋入した場合は、4週間目では骨の形成を認めず、8週間目でわずかに骨の形成を認めたに過ぎなかった。このことから骨髄細胞をデキサメタゾン、βグリセロリン酸ナトリウム、アスコルビン酸を含むMEM培地で培養することは骨形成に有用であること、およびCAP多孔体ブロックが組織工学的骨形成のscaffold(足場)として有用であることが確かめられた。 以上の結果をThe 4th Asian Bio-Ceramics Symposium in Conjunction with 2nd International Symposium on Nano & Biomaterialsと6th Asian Congress on Oral and Maxillofacial Surgery and 49th Annual Meeting of Japanese Society of Oral and Maxillofacial Surgeonsにおいて発表した。 次年度は骨髄細胞培養中および背部皮下へ埋入後の経時的な骨形成能の変化を定量的に計測する。
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Research Products
(1 results)