2006 Fiscal Year Annual Research Report
超音波を用いた被曝のない骨年齢推定法の検討と顎骨成長ポテンシャルの予測
Project/Area Number |
16592037
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 亨至 東北大学, 病院, 講師 (10205916)
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Keywords | 超音波 / 骨年齢 / TW2法 / CASMAS / SOS / 下顎骨 / 成長ポテンシャル / 橈骨 |
Research Abstract |
本研究の目的は、超音波を用いて椀骨または指骨での骨端軟骨(成長板)の骨化程度を、X線などの被曝を必要とせず非侵襲的に評価する手法を確立することである。原理として、超音波によって得られた波形および解析画像と手部X線写真から算出される骨年齢との回帰式を求めて骨成熟度を評価するものである。超音波によって骨成熟評価を行うことが可能になれば、健常小児を治療対象とすることの多い矯正歯科臨床での応用が可能になる。今年度は、超音波透過法を利用して波形および画像の解析を行った。7MHzの超音波によって、骨癒合前および癒合後の被験者の指骨における部位ごとの波形を求め、超音波速度(SOS)の測定を行った。この測定結果および利便性を考慮し、今後の検討は第三中節骨部で行うこととした。この部位の透過波の画像を得るために、超音波診断装置を用いて検討を行った。周波数は診断装置が10MHzで、トランスデューサーは7MHzおよび5MHzのものを用い、骨癒合前と後の被験者において、同時に撮影した手部X線写真での癒合状態と超音波透過量の比較を行った。さらに、間隙の量と超音波透過量との相関関係を調べるため、2本のアクリル棒の間隙を変化させ、透過波の画像および波形を得て検討を行った。また、焦点の有無による画像の違いについても比較した。間隙の大きさと超音波の透過量については相関が認められたが、間隙が小さい時には焦点有りのトランスデューサーで高い相関が認められた。逆に、間隙が広くなると焦点無しのトランスデューサーで高い相関が認められた。本研究の結果から、超音波を用いて非侵襲的に骨成熟度を評価できることが明らかとなった。今後の展開として、多くの被験者において測定を行い、上・下顎骨の残余成長量の予測値と実際の値を比較し、本手法による予測精度の検討を行う予定である。
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