2005 Fiscal Year Annual Research Report
ティッシュエンジニアリング技術により形成した顎裂部新生骨への歯の萌出と移動
Project/Area Number |
16592039
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
須佐美 隆史 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (80179184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻原 祐二 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (20345226)
高戸 毅 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (90171454)
星 和人 東京大学, 医学部附属病院, 寄付講座教員 (30344451)
小笠原 徹 東京大学, 医学部附属病院, 寄付講座教員 (20359623)
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Keywords | 歯学 / 再生医学 / 骨代謝 |
Research Abstract |
本研究では、顎裂部骨移植への再生医療の導入とその矯正学的評価系の確立を目指し、顎裂部への移植骨作成のための基礎的検討を行った。研究内容は大別すると、(1)間葉系細胞による再生骨軟骨組織作成のための基礎的研究、ならびに(2)骨軟骨細胞の分化制御メカニズムの解明、の二項目からなる。(1)については、インフォームドコンセントに基づき、口唇口蓋裂をはじめとする先天奇形に対する手術の際に得られたヒト由来細胞の増殖・分化条件の最適化を試みた。最初に、再生組織を作成するための必要細胞数は10^9のオーダーであると算出し、細胞増殖のゴールを最初の1000倍増と設定し、(1)安全性の面からFBSは用いない、(2)細胞の特性を出来る限り維持した状態で1000倍以上の増殖を獲得する、(3)すでに臨床応用実績のある増殖因子を使用する、という基準で各種増殖因子の組み合わせの最適化を図り、軟骨細胞については、FGF-2、insulinあるいはIGF-Iの組み合わせが最適であることを明らかとした。ついで、軟骨細胞増殖培養に伴って生じる細胞の脱分化という問題に対処すべく、脱分化型軟骨細胞を再分化させるための液性因子の組み合わせを網羅的に検索したところ、BMP-2とinsulin、甲状腺ホルモン(T3)の組合せ(BIT)が理想的な再分化誘導法であることを見出した。また、臨床応用が期待されるいくつかのハイドロゲルについて、骨軟骨再生における足場素材としての特性を明らかにするために細胞に対する増殖、基質産生効果を評価した。(2)については、CGKIIが軟骨分化に重要な機能を有すること、骨系統細胞の分化においてCdk6が分化抑制因子として非常に重要な機能を果たしていること、骨再生医療に用いる新規シグナル候補としてCdk4/CyclinD1が有望であることなどを報告し、骨軟骨再生医療の発展に不可欠な骨軟骨細胞の分化増殖メカニズムの解明を行った。
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Research Products
(8 results)