2004 Fiscal Year Annual Research Report
老化促進マウスの小児期からの咀嚼障害が中枢刺激に及ぼす影響
Project/Area Number |
16592058
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
飯沼 光生 朝日大学, 歯学部, 助教授 (70184364)
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Keywords | 老化促進マウス / 経管栄養飼育 / 海馬 / 空間認知能 / Morris水迷路テスト / Fos陽性細胞数 |
Research Abstract |
口腔刺激を減少させたモデルとして経口摂取させずに経管栄養飼育したマウスを用い、海馬機能への影響を調べる目的で、Morris水迷路テストによる空間認知能と、それにリンクした海馬への情報入力量を定量化するためFos陽性細胞数を計測した。 実験方法としては15週齢(若齢期)および35週齢(老齢期)の雄老化促進モデルマウス(SAMP1TA)を用い、固形飼料を与えたコントロール群、カテーテルで練食を胃に注入した経管栄養飼育群、水をカテーテルで胃に注入した水摂取群の3群に分類した。 水迷路テストにおいて、15週齢マウスでは実験期間を通し、各群ともプラットホームへの到達時間が短縮し、各群間の到達時間に有意な差はみられなかった。また、35週齢においても、各群ともプラットホームへの到達時間の短縮がみられたが、経管栄養飼育群の到達時間は他の2群に比べ有意に延長していた。以上のことから、老齢期マウスは経管栄養飼育によって空間認知能が低下することが示唆された。 Fos陽性細胞数は、15週齢マウスでは、海馬3領域とも摂食条件による影響を受けなかった。これに対し、35週齢マウスでは経管栄養飼育群のCA1において、コントロール群に比較して有意に減少しており、老齢期マウスでは経管栄養飼育により海馬CA1への情報入力量が減少することが示唆された。しかしCA3、DGでは摂食条件による影響は認められなかった。 以上のことより、老齢期SAMP1において経管栄養飼育により海馬への情報入力量の減少し、その結果、空間認知能が低下することが示唆された。
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Research Products
(1 results)