2004 Fiscal Year Annual Research Report
歯科衛生士学生教育におけるコミュニケーション・スキルの定着に関する研究
Project/Area Number |
16592062
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Research Institution | Ogaki Women's College |
Principal Investigator |
石川 隆義 大垣女子短期大学, 歯科衛生科, 教授 (30159694)
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Keywords | 歯科医学教育 / コミュニケーション教育 / 歯科行動科学 / 問題解決型学習 |
Research Abstract |
小児歯科診療における保護者とのコミュニケーションに関する行動科学的トレーニングの効果について,質問紙調査法により検討を行った。対象は本学に在籍する歯科衛生科学生で,コントロール群30名とコミュニケーション教育群30名の総計60名とした。保護者とのコミュニケーション教育を行う前に,「保護者とのコミュニケーション技能評価尺度」を用いて,両群のコミュニケーション能力をコントロールのデータとした。 先ず,コミュニケーション教育群には,保護者との対応技術項目に関するセミナーおよび紙上応答訓練を行った。次に,歯科衛生士役が保護者との対応を行っているシミュレーション場面を,シナリオに基づいてロールプレーを行い,スーパーバイザーを配置した小グループ形式のもとに,フィードバック・セッションを行った。メンバーからのフィードバックは,歯科衛生士役の対応のポジティブな面のみに焦点をあて,肯定的評価を行なった。対応に関する課題や問題点は,歯科衛生士役自身において把握・検討を行う問題解決型学習を実施した。コミュニケーション教育群では教育実施後に,「保護者とのコミュニケーション技能評価尺度」による評価を行った。コントロール群においても再度,2回目の調査を実施し評価を行った。尚,1回目の評価点は両群間において同等になるように抽出し,統計学的に有意差が無いように設定した。そして,2回目における両群の評価点の平均を統計学的に比較検討し,コミュニケーション教育の効果について検討を行なった。その結果,トレーニング群とコントロール群間において,1回目の平均スコアーには統計的有意差が認められなかったが,2回目の評価においてはトレーニング群の方が平均スコアーが高く,両群問に5%の危険率で有意差を認めた。 以上の事より,歯科衛生士学生に対する保護者とのコミュニケーション能力の向上を目的とした行動科学的トレーニングの有効性が示唆された。
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