2005 Fiscal Year Annual Research Report
自己組織化マップによる側貌の審美的調和を包含した顎矯正手術計画支援システム
Project/Area Number |
16592063
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Research Institution | Fukuoka College of Health Sciences |
Principal Investigator |
升井 一朗 福岡医療短期大学, 歯科衛生学科, 教授 (50131884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山川 烈 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 教授 (00005547)
末竹 規哲 山口大学, 理学部, 講師 (80334051)
堀尾 恵一 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 助手 (70363413)
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Keywords | 顎変形症 / 軟組織側貌 / 多重判別分析 / 硬組織移動量 / 審美性評価 / グラフィカルデータベース / 分類マップ / インフォームドコンセント |
Research Abstract |
本年度は,顎矯正手術後の44名を対象に,それらの側面頭部X線規格写真(以下セファロ)計測値(Winceph ver.8を使用して計測)を用いて自己組織化マップにより解析し,術前側貌の分類マップと,手術による硬組織移動量の分類マップを作成し,2つのマップの関係から術前側貌と硬組織移動量に関わる審美性の変化について考察した. 術前側貌の分類マップの作成にあたり,患者を表現する属性は,これまでの研究で有効であることを示した軟組織側貌計測11項目を採用した.各患者を11次元のベクトルで表現し,多重判別分析により2次元平面へ写像し,術前側貌の分類マップを作成した.多重判別分析は,線形写像の1つで,クラス間距離を最大化,クラス内距離を最小化の指標に基づいて11次元ベクトルを2次元の部分空間に射影する.これによりデータ間の類似性を視覚的・直感的に把握することができる.また,2次元平面の各軸は11次元空間の各軸の線形和で表現されるので,各軸の意味づけが容易に行えるという利点がある.術前の軟組織側貌計測値(11項目)を用いて2次元アップ上に写像された44例を観測した結果,申請者らが提案したファジィ推論による審美性評価スコアが平面上で滑らかに変化することを確認した.これは術前側貌の分類が審美性評価の分類と類似していることを意味し,審美性を検討する上で有効であることがわかった.硬組織移動量も同様に,多重判別分析を用いて2次元平面に写像した.術前側貌分類マップを観測することで類似症型が容易に検索でき,それらの患者に対して,どのような手術を施した場合に審美性が向上したかを容易に知ることができる.新規患者に対しても,類似症例をグラフィカルデータベースとして提示(VAIO type-BXに搭載)することができ,また,類似症例の術後の審美性評価も視覚的に確認することが可能となる.
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Research Products
(2 results)