2004 Fiscal Year Annual Research Report
可溶性インターロイキン-1 type2レセプタ-の歯周組織における役割に関する研究
Project/Area Number |
16592082
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
石原 裕一 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (50261011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小出 雅則 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (10367617)
田中 繁寿 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (30367619)
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Keywords | IL-1receptor type 2 / 歯肉溝滲出液 / 慢性歯周炎 / IL-1β / ELISA |
Research Abstract |
研究代表者ならびに研究協力者は歯周病患者30名より,歯肉溝滲出液(GCF)70サンプルを採取し,ELISA法にてGCF中のIL-1βと可溶性IL-1受容体type2(sIL-1Rtype2)量を測定した.その結果,治療前のGCF中のIL-1βとsIL-1Rtype2量は歯周炎の臨床所見と相関し,歯周炎の炎症の程度が亢進するに従い,産生量が高かった.次にその産生量は歯周炎の初期(基本)治療を行うことにより,両者ともその産生量が減少した.このことは代表者が以前に測定したIL-1raが治療により産生量が高くなったこととはことなった傾向を示すことが明かとなった. さらに詳細に個々の測定した部位の治療前後の産生量の差を比べてみたところ,初診時のsIL-1Rtype2の産生量の少ない部位はIL-1βの産生量が高い傾向を示し,このことはsIL-1Rtype2がIL-1βのインヒビターとしてGCF中において,働いている可能性を示唆する結果であると思われる. 臨床所見のひとつであり,炎症の程度を強く反映すると思われる出血部位率との間で相関があるかどうか調べたところ,IL-1βは出血部位率が増加するに従い産生量が亢進したのに対し,sIL-1Rtype2は出血部位率との間において相関は認められなかった.したがって.IL-1βは局所の炎症の程度を反映するのに対し,sIL-1Rtype2は炎症以外の要因も産生に影響している可能性が示唆された. また健常者88名と歯周病患者102名のsIL-1Rtype1とsIL-1Rtype2の遺伝子型を現在解析しているところであり,遺伝子型と産生量の違いが関係するかどうかについても今後検討を加えていく予定である.
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Research Products
(4 results)