2006 Fiscal Year Annual Research Report
唾液成分のプロテオミクス解析を利用した口腔乾燥症診断技術の開発
Project/Area Number |
16592087
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
岸本 悦央 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (20091316)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 慎 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (40116471)
舩曳 信生 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (70263225)
中西 徹 就実大学, 薬学部, 教授 (30243463)
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Keywords | 口腔乾燥 / 診断 / 2次元電気泳動 / 高齢者 / タンパク質 / 唾液 / 薬剤 / プロテオミクス |
Research Abstract |
何らかの口腔症状を訴える患者の全身状態、口腔内症状、口腔乾燥感および服用薬剤、視診による口腔内乾燥症臨床診断、舌・粘膜湿潤度および粘膜下水分調査を継続実施した。口渇薬品に関するメカニズムについての薬品データベース調査を行った。非刺激全唾液を遠心して沈渣を除去後用い、Tripsin、Endo-α-NAc-Galactosamidase、およびα-N-Acetylgalactosaminidaseの酵素処理による変化を検討した。Trypsin処理ではゲル境界部の成分をはじめ250kdalton(以下kDaと略す)の高分子成分が減少していた。80kDa部分は消失し、60kDaの成分が減少し、一方で25kDa以下の成分が急増していた。α-N-Acetylgalactosaminidase処理では大きな変化は見られなかった。Endo-α-NAc-Galactosamidase処理では240kDaの成分が減少し160kDaの成分が出現したが、この成分は分子量から当酵素であると考えられた。また、80kDaの成分の下に、72kDa程度のバンドが見られた。顎舌下腺清澄唾液に関しても検討した。Tripsin処理では200kDa付近の成分が消失しその下に長い拡散したバンドが認められた。口腔乾燥患者のうち、唾液のでないxerostomiaおよびhyposalivation患者では全唾液分泌量が全くないか極めて少なく、分析に必要な量のサンプル採取が難しくSalivetteでも検討したがうまくいかなかった。また、唾液流量は十分あるのに口腔乾燥感を訴える患者は今年度えられなかった。口腔乾燥診断の客観的評価法の開発にはタンパク質以外の成分の検討も必要なのかもしれない。口腔乾燥感などの口腔違和感という主観的症状を持つ患者では、唾液の分泌量や粘膜下水分量において何らかの異常が認められる頻度が高かった。
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Research Products
(1 results)