2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規遺伝子増幅法による肺法球菌および同菌の抗菌剤耐性遺伝子の特定
Project/Area Number |
16592097
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
関 みつ子 日本大学, 歯学部, 助手 (20226640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 喜久 九州大学, 大学院・歯学研究院, 教授 (20192403)
前野 正夫 日本大学, 歯学部, 教授 (60147618)
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Keywords | 肺炎球菌 / 遺伝子増幅法 / 検出 / 同定 / インフルエンザ菌 / インフルエンザ菌莢膜型b / サブトラクティブハイブリダイゼーション法 / LAMP法 |
Research Abstract |
主な肺炎原因菌に肺炎球菌、インフルエンザ菌があり、口腔内には肺炎球菌類似のα溶血連鎖球菌やインフルエンザ菌類似のパラインフルエンザ菌が多数存在し、従来の培養法の鑑別では簡便・精確な検出は困難である。高齢者の口腔予防対策上、これら菌の口腔分布状況を知ることは不可欠で、本研究では肺炎球菌とインフルエンザ菌の簡便・精確な検出法確立を試みた。 肺炎球菌特異的遺伝子としてlytAやply遺伝子があり、これら遺伝子を持つ肺炎球菌類似のα溶血連鎖球菌の存在が報告され、従来のPCR法で検出を精確に行うには、lytAやply以外の肺炎球菌特異的な遺伝子配列を特定する必要がある。この目的から、肺炎球菌遺伝子に対しStreptococcus mitis遺伝子のサブトラクティブハイブリダイゼーションを行った。その結果、肺炎球菌特異的な2配列を特定し、ここにPCRプライマーを設計、lytAやply陽性の肺炎球菌類似の臨床株を検出せず、肺炎球菌株のみ検出することに成功した。 一方、近年、PCR法に代わる簡易、迅速、精確、安価な遺伝子増幅法LAMP法が開発された。我々は、同法の高い特異性や簡便性に着目し、lytA遺伝子を標的として同法の肺炎球菌検出への応用を試み、妥当性について検証、良好な結果を得た。また、インフルエンザ菌についても、従来インフルエンザ菌特異的とされた表層タンパクP6遺伝子に着目、LAMP法を用い、インフルエンザ菌類似の遺伝子配列を持つパラインフルエンザ菌と区別することに成功した。さらに、インフルエンザ菌のうち最も高い病原性のインフルエンザ菌莢膜型bに対しLAMP法を応用、簡易迅速検出法確立を行った。従来、同菌の判別は莢膜型別免疫血清を用いたスライド凝集法であり、この判定法は陽性と陰性の区別が曖昧で、精確な判定には術者の高い技術と経験を要した。従って、本研究の社会的要請度は非常に高い。
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Research Products
(4 results)